室内で犬を飼っていると、必ず目にするのは「かじる行為」です。
ソファーや椅子の脚を、がりがりかじろうとします。
なぜ、かじろうとするのか。
このかじるという行動の理由は「幼犬」と「成犬」とで意味が少し異なります。
まず幼犬がかじる場合ですが、歯の違和感を紛らすためにかじる場合が多いようです。
生後2カ月が経てば、犬の歯は生え揃います。
しかし、生えたといっても乳歯です。
それからおよそ半年かけて、次は乳歯から永久歯へと生え替わりが始まります。
そのとき、歯に違和感を覚え、何かを噛んで違和感を紛らそうとします。
生まれて1歳未満の幼犬がかじるのは、そうした歯が生え替わる際の違和感が事情にあります。
これをやめさせるのは、犬には少し酷な話です。
むずむずしているものは、仕方ありません。
かじらないようにしつけている間に、たいてい時間が過ぎて、成犬になります。
ベストな対処法は、かじるのを許容してあげることです。
あらかじめかじられては困るものを、高い場所に移動させたり隠したりするなど対処しましょう。
テーブルのいすなど、隠しようがないものは脚にタオルを巻いて、かじられても傷つかないように保護しておけば問題は解決します。
一方、成犬がものをかじる理由です。
幼犬のときに爪をかじる癖が抜けないまま、成犬になってしまったときもありますが「単なる暇つぶし」が多いようです。
少しでも刺激が欲しい年ごろです。
育ち盛りの犬が、暇を持て余すとストレスを感じます。
そのストレスを少しでも発散させたり紛らしたりするために、がりがりかじっていることが多いです。
「じゃあ、ほうっておけばいい」と思いますが、それもよくありません。
ほっているから暇を感じ、またかじってしまいます。
犬がかじる行動を見せるのは、それだけ飼い主が犬の面倒を見てあげられていないというサインでもあります。
散歩をしてあげなかったり、遊び相手になってあげられなかったりすると、暇を感じてがりがりかじります。
しかし、そうは言っても常に相手にしてやるわけにはいきません。
そういうときは、せめて犬のストレスを解消できるような遊び道具を与えてあげるのがいいでしょう。
暇つぶしになるようなおもちゃを買い与えてあれば、少しはストレス発散になり、気が紛れます。
おすすめは「太いロープ状のおもちゃ」です。
小さな物の場合は、飲み込んで喉に詰まらせることがあるので少し危険が伴います。
その点、太いロープ状のおもちゃなら、ハウスに縛って固定することができますし、かじっても飲み込む心配がありません。
ペットショップに行けば、おもちゃがたくさんありますが、飲み込まない点に注意しながら、おもちゃを買い与えるといいでしょう。