高い木の上で鳴いている野良猫を見かけたことがありませんか。
私の実家の庭には、2階建てくらいの大きな木があります。
隣の家の猫が侵入して来て、大きな木にのぼっていました。
「おっ! あんな高い木にどうやって登ったのだろうか。すごいなあ」
私でさえ1人では登れないような高いところにいます。
垂直に立った木の上に登っている猫を見ると、スパイダーマンを見ているかのようです。
猫が高い木に登る能力に感心しました。
その秘密は、猫の爪に隠されています。
人間の爪はまっすぐ伸びますが、猫の爪の先端は曲がっており、引っかけられるようになっています。
つまり、猫は生まれつき優秀なロッククライマーです。
まっすぐ高くそびえ立つ木でも、木の表面に猫の爪を引っかけ、信じられないような高いところまで登ることができます。
そんな猫の素晴らしい能力に感心する一方、おかしな光景を目にすることもありました。
登ったのはいいが、下りられなくなっている猫です。
木の上で鳴いて、助けを求めています。
「自分で登ったくせに下りられないの? それなら初めから登らなければいいのに」
単純にそう思います。
あなたも木から下りられなくなった猫を見て、同じようなことを思ったことがあるのではないでしょうか。
もちろん猫は、普段、下りられる高さを前提に登ります。
高すぎるところなら、今度は下りられなくなることくらい、猫も十分承知です。
しかし、まれに緊急事態のときには、前提を無視して高いところまで登らざるを得ない状況があります。
たとえば、犬などに追いかけられるような緊急事態のときです。
逃げ切るために、木を選ぶ余裕はありません。
とりあえず危険回避のため、一番近くの木に登ってしまいます。
その結果、そうして何とか逃げ切れたのはよいけれど、今度は下りられなくなってしまいます。
おそらく私が見た猫も、近所にいる野良犬に追いかけられてやむなく高い木に登ったのでしょう。
決して頭が悪いのではなく、そういう仕方ない事情が背景にあります。
さて、こういう場合の解決方法は簡単です。
自宅の倉庫にあるはしごを持ってきて、木に立てかけてあげればいい。
猫は、はしごに沿って、簡単に下りるはずです。
ただし、電柱の上に登ってしまったときは、別です。
高圧電流が流れてとても危険ですから、電力会社の人を呼ぶなり、専門家に任せるようにしましょう。