しつけるときには、犬に言葉を発して命令をします。
トライ&エラーを繰り返しながらしつけていきますが、何度やってもうまくいかないときがあります。
原因はいろいろ考えられますが、一番の原因は飼い主にあるのかもしれません。
飼い主が犬をしつけるとき、よく犯してしまいがちな失敗があります。
しつけの合図を、その場の気分や状況に応じて変えてしまうことです。
たとえば、犬に待ってもらいたいとき、次のような命令になっていませんか。
「待て」
「待ちなさい」
「止まれ」
「じっとしていなさい」
「シッ!」
「そこでしゃがんでなさい」
飼い主が言わんとしていることは同じです。
「犬にじっとしてもらいたい」ということです。
しかし、言葉が理解できない犬には、これらの言い方をすべて別々の命令だと区別します。
犬は「飼い主が言った言葉」と「行動」を結びつけて覚えます。
「飼い主がこの言葉を言ったときには、こうすればいい」と記憶しています。
その命令する言葉がばらばらならどうでしょうか。
飼い主の命令の言葉がばらばらになると、犬はどうしていいのかわからなくて混乱します。
うまく言うことを聞かなくて当然です。
どんな合図かは、特に何でもかまいません。
立ち止まってほしいときは「待て」という合図でもかまいませんし「止まれ」という合図でもかまいません。
静かにしてほしいときは「静かに」という合図でもかまいませんし「シッ」という合図でもかまいません。
やめさせるときは「ダメ」という合図でもかまいませんし「いけません」という合図でもかまいません。
命令は何でもいいですから、一度しつける命令は「統一させること」が大切です。
一度決めれば、特別な理由がないかぎり、変更しないようにしましょう。