飼い主に触られるのはいいけど、それ以外の人に触られると吠えるのではよくありません。
「あら、かわいい犬ね」
散歩の途中、突然話しかけられ、犬を褒められることがあります。
飼い主にとって嬉しいかぎりですね。
そんなとき、飼い主以外の人に犬の頭をなでられることもあるでしょう。
見るまではいいですが、触られるのを嫌う犬もいます。
飼い主以外の人と会うことは多くても、飼い主以外から触られることには慣れていない場合が多いからです。
いろいろな人を見るだけでなく、さまざまな人に触れ合わせて「触られること」に慣れさせるのも大切なしつけの1つです。
さて、ここでいう人から触られることに慣れるのは、まだ序の口です。
触られることに慣れるうえで本当に大変なのは、犬が嫌がる部分を触られることに慣れさせることです。
犬は、触られるのをとても嫌がる繊細な部分があります。
代表的な部分は3つあります。
「耳」「しっぽ」「足の先」などです。
頭をなでられるのはいいけど、耳・しっぽ・足の先などを触られたりするのは、基本的にどんな犬も嫌がるはずです。
飼い主が普段から触らないように心がけるのは基本ですが、そう単純ではありません。
日常生活には、こうした繊細な部分に「触ってしまうこと」もあれば「触らなければならないこと」もあるからです。
たとえば、頭をなでるときに、つい耳に触れてしまうこともあります。
背中をなでるとき、しっぽに触れることもあるでしょう。
また「触らなければならないとき」もあります。
代表的な例は、動物病院で先生に診てもらうときです。
犬の診察のためには、耳・しっぽ・足の先などをどうしても入念にチェックしなければなりません。
そんなときに吠えたり噛みついたりするのでは、きちんと先生に診てもらうことができなくなります。
万が一、犬が体調を崩して動物病院で診てもらうときのためにも、ある程度は慣れさせておく必要があります。
完全に嫌がらなくなるのは難しいですが、せめて吠えたり噛みついたりしないようにしつけることです。
では、そのしつけのポイントです。
普段から、刺激をしない程度に耳を優しくなでたり、足をゆっくり握ったり、しっぽを触ったりして、感覚に慣れさせます。
慣れてくれば、飼い主以外の人に、ゆっくり触ってもらうなどしてみるといいでしょう。
もちろんあくまでも慣れさせるのが目的であって、わざとらしく刺激するのはよくありません。
あくまで触られるのに慣れるのが目的です。
いざというときのために、触っても支障を来さないように、しつけておきましょう。