食卓で家族が集まって食事をしていると、困ったことがあります。
まだしつけをきちんとされていない犬なら、家族が食事をしているのを、黙って見ているはずがありません。
ほとんどの場合、犬はしっぽを振りながら近づき、わんわんと吠えておねだりをしてくるはずです。
黙ってみていれば、相当しつけがなされている証拠です。
本来、犬に食事を与えるのは、飼い主の食事が終わってからです。
主従関係をしっかりさせるために、主人である飼い主が先に食事をします。
その後、従者である犬が食事をする順番です。
この食べる順番によって、主従関係がはっきりして、飼い主の命令に従う犬に育ちます。
しかし、です。
これが、思うほど単純ではありません。
犬はときどき「ずるいよ。僕にも1つちょうだい」という、甘えた表情を見せます。
特に育ち盛りの子犬は、しっぽを振りながら甘えてきます。
犬を愛する飼い主にとって、これを無視するのはつらいです。
飼い主1人だけ食事をしているのは、申し訳ない気持ちになるのが人間です。
「1つくらいならいいかな」と思い、餌をやってしまいそうになります。
ここが正念場です。
一度でもおねだりに応じれば、犬は「しつこくおねだりをすればもらえる」ということを覚えます。
今後も食事中でも、おねだりを続けるようになってしまいます。
心が痛みますが、おねだりをされても、応じないことです。
別に、犬に餌を与えないわけではありません。
単に、食事の順番を守らせるだけです。
飼い主の食事が終わった後に、きちんと餌を与えるだけです。
飼い主が食事をしている間は、心を鬼にして、じっとこらえるようにしましょう。
テーブルの近くをうろついておねだりをしていても、しばらくすれば諦めて、おねだりしなくなります。
「食事は飼い主が食べた後にもらえるんだ」とわかれば、飼い主の食事中も、おとなしくなるのです。