大好きな飼い主が家に戻ってくるやいなや、犬が喜んで飼い主に飛びつき、顔をなめることがあります。
顔をなめるとはいえ、特に口元をなめようとするはずです。
喜んでいるのはわかりますが、なぜ、口元をなめようとするのか不思議です。
これはオオカミ時代、母親から獲物をもらうためにしていたサインです。
母親が獲物を口にくわえて持ち帰り、子どもたちの食事を調達していました。
そのため母親が帰るやいなや「待っていたよ! 早くご飯をちょうだい」という意味で、母親の口元をなめていました。
母親の帰りを待ちわびる意味が込められています。
そのほか単に「甘えの表現」として顔をなめようとすることが多いようです。
口元をなめることで、不安や寂しさを紛らし、精神的に落ち着きを取り戻す意味もあるようです。
ただ、そういう事情があるとわかっても、やはり少し抵抗があります。
犬に顔をなめられても気にしない飼い主ならいいですが、なかにはひどく嫌がる飼い主もいることでしょう。
犬のだ液が、人体に入るのは、衛生面から考えてもおすすめできません。
万が一、悪い細菌が混ざっていると、病気になる可能性もあります。
では、どうすれば顔をなめてくるのをやめさせられるのか。
その場から立ち去って、相手にしなければいい。
相手にしなければ、つまらなくなり、犬は顔をなめなくなります。
気をつけたいのは、無理にやめさせようと犬の手足を振り払うことです。
逆に相手にしてもらっていると勘違いし、ますます顔をなめてくる場合があるからです。
「飛びついてもいいことはないよ。顔をなめようとするのはよくないよ」
冷たい態度を取ることで伝えます。
落ち着いて喜びを表現するほうが、飼い主に喜んでもらえることをわからせましょう。