昼下がり、うつらうつら眠くなる場面には共通点があります。
学生時代、午後の授業で先生の話を聞いていると、眠くなる。
社会人になっても、じっと黙って仕事をしていると、眠くなる。
何か共通点に気づきませんか。
「黙ってじっとしているとき」です。
黙ってじっとしていると、脳の活動も鈍くなります。
受け身になっているからです。
逆に、絶対に眠くならないのは「自分が発言しているとき」です。
自分が考案した新商品のプレゼンをしている最中は、絶対に眠くなりません。
自分の手や口を動かしての発表は、眠気を吹き飛ばす刺激です。
しかし、無事に自分のプレゼンが終わって、ほかの人の発表を聞く側になると、うつらうつら眠くなります。
同じような経験をしたことがあるのではないでしょうか。
これはどういうことかというと「聞くより話すほうが、脳は活発に働く」ということです。
話を聞くのは受動的ですが、話をするのは能動的です。
話をするときには、自分の頭で言うことを考え、口を動かしたり自分の声を耳で確認したりします。
言いたいことを考えて、口を動かしたり、耳で声を聞いたりしているときは、脳までフル回転するので、絶対に眠くなりません。
何か自分の頭で考えて情報を発信しているときは、自然と脳が活性化されます。
親としては、子どもに考える力をつけさせようとすると、自然と教育も熱心になりがちです。
その結果「黙って言うこと聞きなさい」という教えになりがちです。
たしかに黙って言うことを聞かなければならないときもあります。
世の中のことをまだきちんと理解していない子どもには、親の言うことを無条件に従うほうがスムーズです。
しかし、そういう従順すぎるのも問題です。
従順で素直な子は、いい子に育つように思えますが、これも問題です。
何でも「はい、はい」と言っているのは、考えているようで、頭はあまり回転していません。
親の言っていることをすべてうのみにしているだけで、受け身になっています。
「親の言うことさえ聞いていればそれでいい」と思い、自分の頭で考えなくなります。
子どもに考える力をつけさせるなら「黙ってないで、言いたいことを言いなさい」です。
わかるときには黙ってうなずき聞きますが、疑問点や不明点があれば積極的に尋ねる勇気です。
黙っているばかりではいけません。
できるだけ子どもに発言をする機会を与えましょう。
気になることや言いたいことがあれば、どんどん発言させることです。
内容は何でもかまいません。
学校であったこと、悩み、将来のこと、疑問に思ったことなど、何でも結構です。
自分で発言する機会は、自然と考える機会になります。
時には親と考えや意見がぶつかり、激しい言い合いを交わすこともあるでしょう。
よく考え、よく話すことは、それだけ脳もよく使っているということです。
すると子どもは「話をすることはいいことなんだ」と、会話に対してプラスの印象を持ち始め、よく話をする子へと育ちます。
たくさん話をするから滑舌もよくなります。
考える力がつき、積極的に自分の考えを表現できる子どもへと育つのです。