外遊びをし始めるようになると、あらゆるものが気になって仕方ありません。
川の中の魚を捕まえようとしたり、畑の中で虫を捕まえたりしていると、着ている服はすぐ汚れます。
まさに「泥んこ」です。
私が子どものころは、泥んこになって家に帰ってくると、なぜか祖父や祖母が喜んでいました。
時には、靴があまりに汚れすぎて、はだしで家に帰ったこともあるくらいです。
汚れすぎて、靴を履いている場合ではありませんでした。
田舎に住んでいただけに、川や畑は有り余るほどあり、汚れる環境は揃っていました。
水口家の敷地内には、川が通っているくらいです。
服を汚して帰ると、親は不思議なリアクションを取ります。
「おっ。たくさん遊んで帰ってきたね!」
なぜか、喜びます。
普通なら、服が汚れれば洗濯の手間が増えるので、子どもを叱ることもあるでしょう。
なぜ、親は喜んでいたのか不思議ですが、自分が大人になってからわかりました。
服が汚れていることは、子どもが外で一生懸命に遊んで帰ってきた証拠だからです。
汚そうとすると、たくさん体を動かすことになります。
それが汚れた服や靴から、一目でわかります。
親にはこれほど嬉しいことはありません。
子どもが泥んこになって帰ってきたとき、あなたはどのようなリアクションをしていますか。
いま一度、自己チェックしてみましょう。
もし、汚い服で帰ってきたとき、子どもを叱ってしまうとどうなるでしょうか。
子どもは外に出て遊ぶとき「服を汚したら親に叱られる」と不安になり、思いきり体を動かして遊べなくなります。
川の中に気になる魚がいても「汚れるからやめよう」と思うでしょう。
畑の中にはいりたくても「汚したら叱られるからやめておこう」となります。
これではせっかく外で遊んでいても、十分に生かしきれていません。
子どもは毎日遊んで泥んこになるほど遊びができて上等です。
親は、子どもが泥んこになって帰ることを許してあげましょう。
むしろ「よく遊んできたね。偉い」と褒めてあげるくらいでいい。
子どもはもっと褒めてもらいたいと思い、外遊びに積極的になるはずです。
それが、多くの刺激に触れる経験になり、脳の発育によい影響を及ぼすのです。