おいしそうに餌を食べる犬の頭をさすってやると、犬がうなり、怒りを見せることがあります。
慣れていない人に対してうなるなら理解できますが、飼い主に対してでも、うなって怒りを見せたりすることがあります。
「急にどうしたのだろう」
「飼い主に対してなんて偉そうな態度なんだ」
犬から好かれていると思っていただけに、困惑する人も多いのではないでしょうか。
これは、犬がまだオオカミだったころの名残です。
野生時代は、いつ食料にありつけるかわからない不安定な生活でした。
餌を食べている間に外敵からの攻撃を受けると、食べるチャンスを失いかねません。
勢いのある食べ方が定着しています。
食は、まさに死活問題に直結です。
もし横取りされると、自分はおなかをすかして死んでしまうかもしれない。
食事中に犬の餌をいじったり犬の頭をなでたりしようとすると、敵と見なし、うなって警戒を見せます。
たとえ飼い主が主だという認識があっても、犬は逆らってしまいます。
人間でも、食べている最中に邪魔されるといい気持ちはしないのと同じです。
犬の場合は、人以上に食事中に邪魔されるのを嫌うと思ったほうがいいでしょう。
では、ここからがポイントです。
飼い主は、犬が食事をしている間は触るのはやめたほうがいいと言いたいところですが、これもまたしつけです。
食事中に警戒を見せるのでは、犬も飼いづらくなります。
おすすめの方法は、器の中に餌を入れるのではなく、手のひらに食事を乗せて食べさせてあげることです。
手のひらに餌を乗せ、手の位置を移動させれば、人の介入に慣れます。
また、できるだけ若いうちに、器に入っている食事を食べている最中に頭を優しくなでてみるのも効果的です。
あくまでも「優しく」です。
「食事を横取りしないよ」ということを覚えさせてあげればいいのです。