品のある人は、物を拾わないし、もらいません。
拾いものやもらいものには、愛着がないからです。
品のある人は、優しいからと何でも拾ったり、もらったりすると思われがちです。
しかし、実際、本当に何でももらい、拾ってしまえば、ごみ屋さんになります。
品格のある人は、拾わないし、もらいません。
「これ、あげるよ」とはいえ「お気持ちは嬉しいけど、必要ありません」と断ります。
品のある人は、愛着を大切にするからです。
拾ったもの、もらいものには、愛着がありません。
誰かに突然、物をもらっても、それには愛着がありません。
一生懸命に働いて得たお金で買うときに、愛着が出てくるものです。
思い出や苦労が加わります。
物に対して、思いが込められ、購入後も本当に大切にしようという気になります。
努力もなく手に入れたものに、深い愛情はなかなか出てくるものではありません。
それになにより、もらいものが本当に自分にとって必要な物とも限りません。
本当に必要なら、もうすでに買っています。
自分の物にしたいと思う気持ちがあるほど、自分のお金で買おうという気持ちになるはずです。
拾ったものやもらいものには、そうした感情を無視して、突然手に入れてしまうことになりますから、深い愛情が感じられません。
もらうことになっても、たいてい使わないものです。
私は自分で買った本は進んで読みますが、他人からもらった本は不思議と読む気になれません。
自分の好みの本ではありませんし、読もうという気持ちもありません。
もらったものですから「いつでも読める」という軽い気持ちになり、ほこりをかぶってしまうことになるのです。
生活の中でほこりをかぶっているものほど、誰かにもらったものや、どこかで拾ったものです。
愛がないから、つい、ほったらかしにしているのです。
なら、初めからもらわないことです。
品のある人は、もらっても愛がないから、ほったらかしになるであろう未来が見えています。
拾わないし、もらわないのです。
自分の豊かな生活のために、本当の必要な物だけを持ち、必要のないものはできるだけ持たない努力をしています。