展示会場に着席スペースがあるなら、チャンスです。
席が空いているなら、無理をせず座りましょう。
「まだ疲れていない」「体力は十分余裕がある」と思うかもしれませんが、油断は禁物です。
体力の消耗は、途中から加速します。
そのときはまだ余裕があって大丈夫に感じても、途中から急に疲労が襲ってくる可能性があります。
ずっと立ったままではどんどん体力が削られ、足が棒になります。
体力が切れると、集中力も切れます。
着席スペースは「体力回復のスペース」です。
きちんと最後まで集中して鑑賞するためにも、休憩できる機会は素直に利用しておくことが得策です。
着席スペースに座るメリットは、体力回復だけではありません。
着席スペースに座ると、ぐっと引いた位置から作品を鑑賞できます。
座りながら鑑賞すると、起立姿勢とは違った印象を受けることが少なくありません。
リラックスしながら鑑賞できるので、作品の新たな魅力を発見することもあります。
時には人が作品を遮ることもあるでしょう。
これはこれで悪くありません。
「作品と人との関係」というユニークな角度から鑑賞できます。
「作品を鑑賞する人々」も含めて美術鑑賞です。
座ることは、体力を回復させるだけでなく、鑑賞の楽しみを広げるためでもあるのです。