美術鑑賞が趣味という人も多いでしょう。
美術館でありがちなのは、至近距離でじろじろ見ることです。
わざわざ美術館まで足を運びました。
観覧料も支払いました。
時間とお金をかけていることもあって、思う存分しっかり鑑賞しようと意気込みます。
そうした気持ちもあってか、鼻がくっつきそうな距離から鑑賞する人がいます。
作品に顔を近づけ、じろじろ見つめ、目に焼き付けようとします。
もちろん至近距離で鑑賞するのはいいのですが「至近距離だけの鑑賞」となると、話は変わります。
どの作品も全体を見ることを前提に作られています。
至近距離では一部しか見えません。
筆遣いや絵の具といった細かな部分は確認できますが、作品の全体像がつかめなくなります。
全体を見ることを忘れている人が少なくないのです。
美術鑑賞で大切なのは「全体を見ること」です。
至近距離からの鑑賞も大切ですが、全体から見ることも忘れてはいけません。
作品全体が視界にすっぽり収まるよう、数歩後ろに下がって鑑賞しましょう。
全体を見たとき、作品の本当の姿を確認できます。
一部だけ見る印象と全体を見る印象はまったく違います。
作品の全体像がつかめて、ますます有意義な美術鑑賞を実現できます。