作品についてわからないことがあって、近くにいるスタッフに質問する人がいます。
絵の詳しい説明を求めたり、解説の不明点を質問したりです。
美術鑑賞をしていると、ふと作品について疑問点が浮かぶものです。
作品を見ていると、もっと詳しく知りたくなります。
「ちょっとよくわからないな。詳しい意味を教えてもらおう」と思い、近くにいるスタッフに質問します。
もちろん質問するのはいいのですが、ありがちなことがあります。
作品について詳しい説明を求めると、十中八九「わかりかねます」という返事が返ってくるはずです。
なぜスタッフに質問しても、きちんと答えてもらえないことが多いのか。
展示エリアにいるスタッフは、たいてい学芸員ではないからです。
展示エリアにいるスタッフを学芸員と思っている人がいますが、ほとんどの場合、そうではありません。
普通の監視スタッフであり、美術に詳しい人とは限りません。
美術学校に通ったことがない人もいます。
そもそも美術史の知識がない人であるケースも珍しくありません。
そのため作品について質問すると、きちんとした回答が得られないケースがほとんどになるのです。
スタッフに聞いて答えられなくても、それはそれで仕方ないことです。
「学芸員なのに知らないの?」と思っているなら、そもそも勘違いです。
きちんと答えてもらえたら、ラッキーと思うくらいがいいでしょう。
質問するのは自由ですが、答えられなくてもむっとしないことが大切です。
スタッフに質問するなら、写真撮影は可能かどうか、お手洗いの場所はどこか、といった基本的なことがいいでしょう。
作品について詳しく知りたいときは、自分で調べるのが基本です。
美術館によっては無料のガイドツアーが開催されていることもあります。
ガイドツアーは学芸員が担当するので、どんな質問にも詳しく答えてもらえるでしょう。
学芸員は「博物館法」という法令で定められた仕事であり、その道のプロフェッショナルです。
知りたいことや質問したいことが多いときは、ガイドツアーの開催日に足を運ぶのも1つ方法です。