犬の餌代とはいえ、1年を通してみると、かなりの出費になります。
また毎日ドッグフードばかりでは、あまりに単調すぎる食事でかわいそうだなと感じる飼い主もいることでしょう。
そのため、家庭によっては、飼い主の食事の残りを与えているところもあるようです。
もちろん犬の苦手な食べ物は避けるという前提で、たまに飼い主の食事の残りを与えるくらいならいいでしょう。
いつもと違った食事に、犬も喜ぶに違いありません。
しかし「たまに」であって「毎日」となると、話は別です。
飼い主の食事の残りばかりというのは、犬の健康にいいとは言えません。
「人間が必要とする栄養」と「犬が必要とする栄養」は、大きく異なるためです。
人間の場合は、タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルという5大栄養素が基本です。
バランスよく摂取することで、発育が促されます。
しかし、犬が必要とする栄養は、主にタンパク質とカルシウムくらいです。
人間のように、炭水化物・脂質・ビタミンなどは多くを必要としません。
むしろ炭水化物は分解が苦手なので、摂取しすぎると体に悪い影響が出る場合があります。
人間が食べる食事には、脂質が多く含まれているものが多いので、高カロリーの摂取になり、肥満の原因になります。
ビタミンでいえば、犬はビタミンCを体内で作り出すことができるため、そもそも不要です。
また、人間の食事の残りとはいえ、犬が苦手とするネギ・生卵・生魚・カフェイン・ニンニクなどが、混ざっているものもあります。
悪気はなくても、うっかり飼い主の不注意で与えてしまうこともあるでしょう。
このように、人と犬とでは、必要とする栄養が異なります。
人間の食事の残りを与え続けていると、腎臓の機能が低下したり、心臓の病気を引き起こしてしまったりする可能性があります。
犬の健康を考えるなら、ドッグフードを中心に与えるのが一番なのです。