仕事でも勉強でも趣味でも、全力投球で打ち込むことがあります。
もちろん全力投球をするのはいいのです。
最大限の力を発揮できます。
大きな壁があっても、100パーセントのパフォーマンスを発揮すれば、乗り越えられるでしょう。
たとえ結果が出なくても、全力投球の結果であれば、悔いはありません。
「やるだけのことはやった」と思え、すがすがしい気持ちでいられます。
では、とにかくいつも全力投球すればいいかというと、そうではありません。
全力投球には「長く続けられない」という重要な欠点があります。
全力投球とは、すべての力を傾けて物事に取り組むということです。
人間はロボットではありません。
全力を長く出し続けられれば理想ですが、そこはやはり生身の体を持った人間です。
全力を延々と出し続けることはできません。
動いたら、疲れます。
全力投球とは、短距離走を走るようなものです。
無酸素運動のハイペースで長距離を走ることはできません。
途中で必ず息切れを起こします。
全力投球は、体への負担が大きすぎます。
しばらくして、どんと反動がくるのです。
全力投球をしても、しすぎないことが大切です。
本番・ピンチ・トラブルなど、限られた局面で全力投球をするのはもちろん有効ですが、延々と続けることはしないことです。
無理がたたると、体を壊します。
燃え尽き症候群に陥りかねません。
ひとたびダウンすると、回復に長い時間がかかります。
全力投球をするなら、試験日までの間やピンチを乗り切るまでの間など、限られた期間だけにしておくのが賢明です。
長く続けたいなら「自分に合った無理のないペース」が適切です。
適度に休憩を入れたり、ほどほど手を抜いたりするほうがいい。
リフレッシュのため、思い切って長期休暇を取ることもアイデアです。
特に長期戦では、無理をしないことが欠かせません。
危ないと思ったら、すぐブレーキを踏んで、スピードを調整しましょう。
長期戦であっても、ゆっくりとしたペースであれば、続けられます。
ペースは遅くても、長く続けることで、ベストの結果を出せます。
全力投球を長く続けなければいけないという場面もあるかもしれません。
どうしても全力投球を長く続けたいのなら「定期的に十分な休養を取ること」を心がけましょう。
「最低限の休養」ではなく「十分な休養」である点を間違えないでください。
心身の消耗が激しくても、十分な休養さえ取れれば、回復できます。
しっかり休んで、きちんと充電できれば、再び全力投球ができるようになります。
「全力投球と十分な休養を交互に繰り返す」というパターンであれば、長く続けることが可能になるのです。