「それ何の役に立つの?」と質問する人がいます。
自分から見て、相手のしていることが理解できないと「それ何の役に立つの?」と質問したくなるかもしれません。
そこに悪気も悪意もないのかもしれませんが、軽々しく質問するのは注意したほうがいいでしょう。
相手の気分を害することがあるからです。
「それ何の役に立つの?」と質問はデリケートです。
言い方によって「あなたのやっていることは価値がない」と言われているように聞こえるでしょう。
相手は自分の行いがばかにされたように聞こえるため、むっとした反応を見せるはずです。
普通に知りたいだけかもしれませんが、安易に質問するのは要注意です。
仕事に役立たなくても、スキルアップやキャリアアップにつながらなくてもいいのです。
本人が楽しんでいるなら、それで完結しています。
リフレッシュやストレス解消につながっていて、有意義な時間を過ごしていることが多い。
俳句であれ絵描きであれ音楽演奏であれ、自分に理解できないからといって安易に聞かないことです。
とりわけ研究に対して「それ何の役に立つの?」と聞くのは愚問です。
歴史を振り返ると、最初は役立たなかった研究成果が、後になって役立つようになったケースは数多くあります。
アインシュタインが発見した相対性理論は、発見当初は何の役立ちませんでしたが、後に宇宙の誕生の解明に役立ちました。
ドイツの物理学者ヘルツが発見した電磁波は、発見当初は何の役立ちませんでしたが、後に電波通信で利用されるようになりました。
今も何らかの研究を行われています。
今は役立たない成果であっても、後になって役立つ可能性は大いにあり得ます。
役立つのが10年後や20年後ということもあれば、100年後や死後というケースもあります。
まったく思いもよらない形で役立つことは少なくありません。
直接役立たなくても「応用に向かう成果の1つ」として役立つ可能性もあるでしょう。
特に基礎研究に関しては、どのように役に立つかわからないものが少なくありません。
個人的に楽しんでいたり研究に情熱を燃やしていたりすることは、尊重することが大切です。
どうしても気になって質問したいときがあるでしょう。
そんなときは「純粋な質問なのですが」という前置きをつけることをおすすめします。
もちろん低姿勢も欠かせません。
悪気がないことを前置きしたうえで質問すれば、相手は快く答えてくれるはずです。