「○○の映画を見ました」と話すと、相手から「どんな映画だった?」と聞かれます。
このとき「つまらなかった」と答える人がいます。
正直な感想なのかもしれませんが、ここは言葉に注意したいところです。
悪いところは言わなくていいのです。
良いところだけ言えばいいのです。
「つまらない」と言わないことが大切です。
どんな映画でも、良いところが必ず1つはあります。
話はありきたりでも、俳優の演技が良いということがあるでしょう。
「俳優の演技が素晴らしかった」「鬼気迫るような演技力だった」と答えればいいのです。
あくびが出るほど退屈だとしても、映像が美しかったり、VFXに凝っていたりすることがあるでしょう。
「映像がきれいだった」「ビジュアルが素晴らしかった」と言えばいいのです。
「つまらなかった」と言いそうになっても、喉のところで止め、1つでいいので良いところを取り上げることです。
「カメラワークが凝っていて見応えがあった」
「アクションシーンは、見入ってしまう迫力があった」
「世界観が作り込まれていて面白かった」
「中盤に出てきた天窓のある家が良かった。あんな家に住んでみたい」
どんな映画も、多くの人手と莫大な制作費をかけて制作されています。
映画監督や映画関係者が、隣で聞いていると思うことです。
つまらないと言ってしまうと、映画監督や関係者を否定することになります。
悲しませることになるのです。
プロの映画評論家は「つまらなかった」と絶対口にしません。
どんな映画にも必ず1つは良いところがあるので、そこをコメントします。
二十世紀屈指の映画評論家の1人に、淀川長治さんがいます。
テレビの映画番組解説で「さよならおじさん」として親しまれてきて、ご存じの方も多いでしょう。
淀川さんは「つまらない」と絶対言いません。
どんな映画でも必ず良いところがあるので、そこを見つけてたっぷり褒めちぎります。
しかもたいてい1つだけでなく、2つも3つも見つけ、その映画の魅力を熱く語るのです。
私たちも、彼の素晴らしいコメント力を見習う必要があります。
悪いところではなく良いところに注目しましょう。
悪いところがあったとしても、わざわざ口に出さなくていいのです。
どんな映画にも、必ず良いところがあります。
本音ではつまらなく感じたとしても、感想を求められたときは、良いところだけ述べるようにしたい。
そうすれば「つまらなかった」以外の感想を述べられます。
これは、映画に限ったことではありません。
オペラ・芝居・ミュージカルでも同じです。
難しいかもしれませんが、頭の体操のつもりでやってみてください。
必ず1つは良いところがあるので、そこを見つけてコメントするだけです。
どんな映画でも、どんな作品でも、褒めるようにしましょう。