悲しい別れを表現した映画は、普段はなかなか心が痛くて見られません。
しかし、失恋をしたときには、自分への慰めとして見ることはとても効果的です。
いつもならわからないような登場人物の心情や行動が、理解できたり納得したりできるようになります。
韓国映画『シュリ』は、好きな人と別れるだけでなく、殺してしまわなければならない悲しい映画です。
初めて見たときには、滝のように涙を流したことを覚えています。
好きな人と別れるだけならまだしも、殺さなければならないのです。
好きな人を殺さなければならないとはどういうでしょうか。
主人公の男性は警察の仕事をしていますが、探し当てた犯人が、実は自分の彼女だったのです。
私は当時、失恋を経験中だっただけに、映画を見ながら「自分だったらどうするだろう」と主人公に当てはめながら見ていました。
「自分なら、こんな発言をするだろうな」「もし自分だったら……」と思いながら見ると、より映画が奥深く感じられます。
普段は考えもしないようなことを考えたり、理解できなかった登場人物の心情が理解できるようになったりします。
またそれだけでなく、泣くことも重要です。
失恋のときは悲しい映画で思いきり泣くのも、いいストレス発散になります。
悲しいときには、悲しい映画を見るほうが、自分の心と同調して落ち着きを得られるという心理結果があります。
明るいときに暗い映画を見ても、ギャップを感じてストレスになります。
一方、悲しいときに無理やりテンションを上げようと明るい映画を見ても、ギャップが感じられ、ストレスとなります。
悲しいときにこそ、悲しい映画を見て、ワンワン泣いて涙を流すのです。
そのほうが、そのときの心理状態と一致していますから、心を落ち着かせる効果があるのです。