真面目な人や頑張り屋さんにありがちな光景があります。
あるとき、家族や職場の人から休むことを勧められます。
「働きすぎですよ。ちょっと休みましょう」
「いつも仕事熱心ですね。仕事のしすぎじゃないですか。たまには休暇を取りませんか」
「今日も残業ですか。あまり無理なさらないでください。たまには息抜きも必要ですよ」
そのときは「そうですね」「考えておきます」と一度は口にします。
ところが、実際に休むことはありません。
相変わらず熱心に働き続けます。
口だけの返事になっているのです。
「休みませんか」と言われても「そうですね」「考えておきます」の返事が条件反射になっていて、馬耳東風になっている。
表向きは素直な返事をしていても、実際は心の中で「休む必要はない」と拒否しています。
OKの返事をしておきながら、実際の行動が伴っていないのです。
これは良くありません。
いつの間にか自分もそうなっていないか、振り返ってみることが大切です。
身近な人からの忠告は大事です。
自分では、なかなか自分のことが見えません。
目の前のことに集中すればするほど、自分を客観視できなくなります。
仕事を頑張っているときは、ストレスがたまっていても気づきにくいことがあります。
ドーパミンやノルアドレナリンの作用によって、疲れを疲れと感じなくなり、体調を把握しにくくなるからです。
いつも頑張っていると、それが当たり前になってきて、だんだん感覚が麻痺してきます。
ブレーキを踏むことを忘れ、アクセルを踏んだままになることが多い。
その結果、実際は心や体が悲鳴を上げているのに、それに気づけないことがあるのです。
自分は「まだ大丈夫」「まだ頑張れる」と思っていても、実際はわかりません。
疲れやストレスは、自分では気づけないことが多いもの。
頑張りすぎているときは、ストレスの影響で、自分の状態を正しく把握できなくなります。
熱心に働くのはいいのですが、働きすぎは体に毒です。
「過労死」という言葉もあるように、働きすぎは命の危険もあります。
無理に頑張っていると、ある日ぱたりと倒れるのです。
「仕事のしすぎ」「休んだほうがいい」と言われることがあるなら、よほど根詰めて頑張っている証拠です。
特に身近な人からの言葉は重要です。
人から「休んだほうがいい」と言われたときは、表面的な返事だけで終わらせるのではありません。
心優しい言葉を素直に受け入れ、きちんと休みを取りましょう。
休憩を入れて、のんびりする時間を作りましょう。
有給休暇を取って、しっかり休むのもよし。
思い切って長期休暇を取って、たっぷりリフレッシュするのも素晴らしい。
人の忠告を生かすことで、健全な人生を歩めます。