世の中には「おいしく食べる順番」というものが存在します。
たとえば、お寿司の場合です。
まず脂が乗っていない淡泊な白身から食べ、それから脂が乗った赤身のものを食べるのがよいとされています。
定食の場合、お吸い物から先に口をつけるのがよいとされています。
お吸い物で口を整えた後、固形物を食べていくほうがスムーズに食事を楽しめるとされています。
しかし、こうした順番はあくまで参考や推奨であってルールではありません。
正式なマナーとして決まっているわけでもありません。
食べたいものから食べましょう。
堅苦しいルールは抜きです。
自分の食欲に正直になってください。
食べたいものを後回しにすると、ろくなことになりません。
温かいものは冷めてしまうでしょう。
冷たいものはぬるくなってしまうでしょう。
固いものが柔らかくなったり、柔らかいものが固くなったりするでしょう。
食べたいものから食べないと、途中で満腹になって食べられなくなるかもしれません。
すでに食欲が満たされていると、おいしいものをおいしく味わえなくなることがあります。
テイクアウトができるとも限りません。
時間的な要因もあります。
食事中に緊急の仕事が入って、最後に食べるつもりだった大好物が食べられなくなる可能性もあります。
あるいはゆっくり食べるつもりが急いで食べることになることもあるでしょう。
社会人として多忙な毎日を送っていると、時折そういうことがあるものです。
子どものころ、親や先生から「嫌いなものから食べなさい」と言われて育ちました。
当時の名残で、大人になっても嫌いな食べ物から食べるのが癖になっている人もいるでしょう。
それはあくまで子ども時代の話であり、大人になれば無理に従う必要はありません。
「嫌いなものから食べなさい」と言われた名残はいったん忘れましょう。
人生では、いつ不測の事態が発生するかわかりません。
後回しにして損をすることはあっても、得をすることはありません。
おいしく食べる順番は、自分の食欲に任せて食べるのが一番です。
食べる順番は気にしません。
食べたいものから食べていきましょう。
それが素直な食べ方であり、一番幸せな食べ方です。