食欲は面白い。
たくさん食べておなかに詰め込むと、満腹になります。
「本当におなかいっぱいで本当にもう食べられない」という状態になります。
おなかが風船のように膨らみ、明らかにぱんぱんの状態です。
女性なら妊婦と間違えられそうになるでしょう。
おなかがいっぱいでぱんぱんになると、呼吸をするのさえ大変です。
吐き気を感じることもあります。
あまりに満腹感がひどいと不快感しかありません。
それだけおなかいっぱいになれば「しばらく何も食べなくても大丈夫だね」と思います。
何も食べなくても数日くらい持つような気がします。
一生食べなくても大丈夫であるような錯覚すら覚えます。
ところがです。
ここが食欲の面白いところです。
しばらくすれば、また腹が減ります。
膨れたおなかも、時間が経つにつれてだんだん元に戻ります。
つらくて苦しかった満腹感も、半日すれば収まります。
あれほどおなかがぱんぱんだったのに、いつの間にか普通に戻っています。
そして、24時間以内には再び空腹感が復活するでしょう。
時間が経つにつれて空腹感が増していきます。
最終的にはおなかがぺこぺこになります。
「また食べたい! たくさん食べたい!」と思うようになる。
人には「基礎代謝」といって、何もしなくても生命を維持するためカロリーが消費されます。
基礎代謝量は、成人で1日1200~1500キロカロリーほどあります。
つまり何もしないでじっとしていても、1日1200~1500キロカロリーは必ず消費するということになります。
人の体は、必ずおなかがすくようにできています。
どんなにおなかがいっぱいでも、必ず空腹感がやってきます。
おなかをすかせようと頑張らなくても、しばらくすれば、自然と空腹感が復活します。
ここが食欲の面白いところです。
気づいてください。
私たちは「空腹感との出会いと別れ」を繰り返しています。
今日もあなたは、空腹感と出会うでしょう。
食事をすると、空腹感としばらく別れることになるでしょう。
平凡な日常ですが、そこにはささやかな出会いと別れが存在しています。
空腹感は目には見えず触れることもできませんが、自分の中にあるのはたしかです。
空腹感との出会いと別れを繰り返している自分に気づいてください。
あなたの中にある、生命を営むリズムです。
ほら、そろそろ空腹感と出会う時間です。