日常で時折、のんびりしている高齢者を見かけることがあるでしょう。
横断歩道をのんびり歩く高齢者。
ゆっくりバスに乗り降りする高齢者。
階段を一段ずつ上り下りする高齢者。
全体的に動きがスローです。
のんびりしている高齢者が道をふさいでいると、ちょっと困ってしまうかもしれません。
なかなか前に進めず、自分の行動が遅くなってしまうこともしばしば。
特に急いでいるときであれば、いらいらしやすいところでしょう。
しかし「早くしろ」と思ってはいけません。
いずれ自分もそうなるからです。
高齢者に向けた言葉は、いずれ自分に跳ね返ってきます。
いずれ自分が高齢者と呼ばれる年齢になったとき、その高齢者よりさらに動きが遅くなっているかもしれません。
歩くのがやっとという状態になっているかもしれません。
杖がないと歩けなくなっている可能性も十分あり得ることです。
老いから逃れることはできません。
人は誰でも年を取ります。
年齢を重ねるにつれて疲れやすくなったり体力や筋力が衰えたりして、体の動きが鈍くなります。
その高齢者は、わざと遅く動いているわけではありません。
その高齢者にとって精いっぱいのスピードです。
のんびりしている高齢者を見て「早くしろ」と思わないことです。
心を大にして、高齢者のペースを尊重しましょう。
自分の行動がちょっと遅くなったとしても大したことではありません。
遅くなるとはいえ、ほんのわずかなことでしょう。
遅刻しそうなら、そもそもぎりぎりで行動していた自分が悪いのです。
人生では余裕が欠かせません。
次からもっと余裕のある行動を取るよう反省が必要です。
なかなか寛大に受け入れられないなら、その高齢者を「将来の自分」と思うようにしてください。
自然と優しい気持ちになれます。
将来の自分と思えば腹は立ちませんし、優しく受け入れられるでしょう。
「無理をなさらないでください。どうぞマイペースで行きましょう」と思うようになるはずです。
優しい言葉をかけると、いずれ自分が高齢者になったとき、優しい言葉をかけられます。