会社員であることを揶揄する言葉として「歯車」があります。
ときどき会社の歯車であることに嘆く人がいます。
「自分は会社の歯車でしかない」と。
入社して仕事に慣れてくると、余裕が出てきます。
仕事のコツがつかめたり仕事のパターンが見えてきたりすると、上手な手の抜き方を覚えてくるもの。
心に余裕が出てくると、ある日ふと、自分の立ち位置を客観視できるようになります。
自分がいなくても、代わりの人が大勢いることに気づかされます。
そんなとき、ふと自分は会社の歯車であることに気づき、ぼやく人が少なくありません。
入社して3年が過ぎたあたりからぼやき始めるケースが多く見られます。
さて、社員は会社の歯車なのでしょうか。
きれいごとを抜きにして真実を述べれば、歯車です。
会社の歯車になるのは当たり前のことです。
入社して社員になるということは、会社の歯車になるということです。
車は歯車が動かないと正しく動かないように、会社も人が動かないと正しく経営できません。
企業にとって人は必要不可欠な存在です。
組織体とは人の集合体で成り立っていて、それぞれが自分の役割を果たしているため、会社の歯車という見方ができます。
だからといって会社の歯車を軽視する理由にはなりません。
1つの歯車が欠損すると、全体に支障を来すことがあります。
歯車として役立っているということは、少なくとも「不良品ではない」という証拠です。
会社の歯車とはいえ、微力ながら役割を果たしています。
そういう意味で、少なくとも会社の歯車であることに誇りを持つ価値はあります。
「なんだ、やっぱり歯車なのか」
なかには肩を落とす人もいるかもしれませんが、落ち込むのはまだ早い。
歯車といっても、ずっと単なる歯車のままというわけではありません。
会社の歯車には「進化」という面白い特徴があります。
スキルを磨き、実績を積み上げ、歯車を磨いていけば「動力を持った歯車」になることができます。
重要なポストを与えられることは、動力を持った歯車になるのと同じことです。
動力を持った歯車になれば、ほかの歯車を動かす歯車となり、会社にとって欠かせない存在となります。
どんどん磨きをかけ続けていけば「より強い動力を持った歯車」に進化していき、会社を動かすほどの力を担えるようになります。
入社時は単なる歯車にすぎない存在であっても、そこで終わりにしないことです。
会社の歯車という現実を受け入れつつも、上を目指していきましょう。
歯車に磨きをかけていけば、より重要な歯車となり、会社にとって欠かせない存在となれます。
さらに磨きをかけていけば、いずれ「エンジン」になることも不可能ではないのです。