執筆者:水口貴博

論理的思考力を鍛える30の方法

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説得するための客観的データがないときは、経験が役立つ。

説得するための客観的データがないときは、経験が役立つ。 | 論理的思考力を鍛える30の方法

説明や説得では、客観的データが必要です。

根拠も証拠も何もないまま「こうです」と言うだけでは、個人の意見にすぎません。

発言力も説得力も乏しく「信用できない」「価値がない」と判断されても仕方ないでしょう。

論理的にきちんと説明するには、根拠となるものを示すことが必要です。

たとえば、文献・実績・検証結果・統計データです。

客観的データは、証拠になります。

正しいデータは、価値が高くて信頼もできます。

「これが根拠です」「こういうデータがあります」と言えば、説得力につながります。

根拠やデータの数も、1つではなく複数あれば、ますます説得力が増します。

しかし、中にはどうしても客観的データが足りないこともあるでしょう。

客観的データが足りないと、説得材料も足りなくなります。

特にビジネスでは、データが不十分という場面がたびたびあります。

完全に新規の分野なら、そもそもまだデータが存在しない状況が普通です。

客観的データがなければ、どう説明するのか。

そんなときに役立つのは「経験」です。

客観的データが足りないとき、次の一言を使ってみましょう。

「客観的データではないのですが、私の経験上、○○です」

客観的データの代わりに、自分の経験を根拠にして語るのです。

もちろん信頼できるデータではありませんが、経験は、根拠の補完として使えます。

その分野に携わるプロの1人として、自分の経験を述べることはマナー違反ではありません。

少なくとも1つの意見として尊重されるでしょう。

もし仕事に取り組んでいるのが、個人ではなく団体なら「私の経験」ではなく「私たちの経験」というフレーズも有効です。

集団による経験談・経験則なら、人数が多い分だけ説得力が増します。

同じ意見を共有する人が多ければ多いほど、発言力も高くなります。

あくまで客観的データが足りないときの手段ですが、経験で語る方法を知っておいて損はないでしょう。

ただし、経験で語るなら、あくまで一部にとどめておくのが適切です。

何から何まで経験を根拠にして語るのは、いくら客観的データが足りないとはいえ、不適切です。

経験で語るなら、必要最小限にとどめ、大半は、できるだけ客観的データを示すようにしましょう。

論理的思考力を鍛える方法(28)
  • 客観的データが足りなければ、自分の経験で補う。
議論や討論の場は、論理的思考力を鍛えるチャンス。

論理的思考力を鍛える30の方法

  1. なぜ論理的思考力が必要なのか。
  2. 論理的思考力は、本を読むだけでは鍛えられない。
  3. 学校教育で身についた一問一答の呪縛から解放されること。
  4. 論理的思考力を鍛える基本。
    素朴なことに疑問を持って、理由を考える。
  5. 論理的思考力とは、筋道を立てて考える力。
    早く結論を出す力ではない。
  6. 情報が不足していれば、論理的思考も難しい。
  7. まず自分で考えるのが基本。
    安易に相談しようとしない。
  8. 頭の中だけで考えず、書き出してみる。
  9. すぐ解答を確認する癖があると、思考力は鍛えられない。
  10. 言葉の意味や定義を理解しているか。
    誤解していないか。
  11. 話し方が曖昧だと、論理も曖昧になる。
  12. 視点の数だけ思考が深まる。
  13. フレームワークを、論理的思考に生かす。
  14. 論理的思考に必要なのは、感情ではなく、理性。
  15. 先入観や思い込みで考えようとしていないか自問する。
  16. 論理的思考には、情報の整理整頓が欠かせない。
    きちんと分類して、きれいにまとめる。
  17. 事実と事実以外を分けて考えるようにする。
  18. 「収束的思考」と「拡散的思考」を使い分けることで、思考力を鍛える。
  19. 論理的思考を深める2つの質問。
    「だから何?」「それはなぜ?」
  20. 仮説だけで満足しない。
    検証の手間暇を怠らない。
  21. 前提や初期設定が間違っていないか。
  22. 結論から話すだけで、論理的思考力が鍛えられる。
  23. 「どこかに必ず正解はある」と信じることで、思考力の底力が目覚める。
  24. 休憩を入れることで、論理的思考が深まることもある。
  25. なかなか正解が見つからなくても、諦めない。
    筋力に限界はあるが、思考力には限界がない。
  26. 勘を働かせることで、論理的思考の近道を見つけやすくなる。
  27. 考え抜いて出た結論を、誰かに説明してみる。
  28. 説得するための客観的データがないときは、経験が役立つ。
  29. 議論や討論の場は、論理的思考力を鍛えるチャンス。
  30. 楽しむ気持ちこそ、論理的思考力を鍛える最大のコツ。

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