論理的思考では、できるだけ曖昧な話し方を排除しましょう。
もちろん日常の何気ない雑談ならいいのです。
雑談は楽しさが第一。
ちょっとした雑談なら、雑な話し方もいいでしょう。
思ったことや感じたことを、そのとき浮かんだ適当な言葉で表現するのもいいでしょう。
「なんとなくそう思う」「直感です」「嫌な予感がする」といった無責任な発言も、雑談の面白さの1つ。
少々言いすぎても、謝れば済む話。
少しくらい話のつじつまが合わなくても、笑ってごまかせば済む話です。
小さなことは気にせず、とにかく話を前に進めたほうが、会話も盛り上がるでしょう。
しかし、論理的思考をする場面では、曖昧な話し方は不適切です。
話し方が曖昧だと、論理も曖昧になります。
「大きい箱を使って検証する」
「ある程度の実績がある」
「わからないところが一部ある」
「見直しを行う」
「近い将来に実現するだろう」
一見すると問題なさそうな話し方ですが、油断できません。
どれも曖昧かつ抽象的で、大事な点が抜けています。
話し方が曖昧では、意味がぼんやりしているので、筋道を立てて考えるのが難しくなります。
不確かな印象が強いため、相手にもうまく説明できません。
論理は、明確でなければいけません。
明確な論理を組み立てるには、まず話し方を引き締める必要があります。
「大きい箱を使って検証する」とは、どのくらいの大きさの箱なのか。
「ある程度の実績がある」とは、具体的にどの程度の実績なのか。
「わからないところが一部ある」とは、どの部分のことなのか。
「見直しを行う」とは、どこを見直すのか。
「近い将来に実現するだろう」とは、具体的にいつなのか。
曖昧で抽象的な話し方は避け、できるだけ明確で具体的な話し方を心がけましょう。
中には不確定要素が大きいため、断言できない部分もあるかもしれませんが、できるだけ明確な話し方を意識します。
話し方も「だと思う」「かもしれない」ではなく「です」「ます」と言い切るほうがスマートです。
未定や不確定なら「未定です」「不確定です」と言えばいいだけです。
ゼロにするのは難しいかもしれませんが、ゼロに近づける努力は大切です。
明確な話し方には、覚悟と責任が伴います。
だからこそ考え方が引き締まり、思考力も研ぎ澄まされます。
系統立てて考えることができるようになるのです。