「思考力を鍛える」と聞くと、何をする必要があるでしょうか。
たくさん本を読む。
ひたすら問題集を解く。
議論や討論に参加する。
学校教育の影響のためか、難しい勉強をしなければいけないイメージを持つ人もいるかもしれません。
たしかに試験の成績を上げるためなら、本を読んだり、難しい問題集を解いたりする必要があるでしょう。
本を読めば読むほど、知識や知恵を吸収できるのは間違いありません。
難しい問題を解くことで、どんどん学力も向上していくでしょう。
議論や討論に参加することも、論理的思考力を高める機会になるのは事実です。
しかし、論理的思考力を鍛えることは、もっと基本的で単純です。
「素朴なことに疑問を持って、理由を考える」
これだけでいいのです。
もちろんこれがすべてではありませんが、論理的思考力を鍛える基本です。
誰かに課題を与えられるわけではありません。
考える材料は、自分の自由に選べます。
必ず正解を見つけなければいけないわけではありません。
正解が見つからなくても、自分なりに納得のいく結論を出してみるだけで十分です。
わざわざ学校に通う必要はありません。
自分の好きな場所で自由に考えることが可能です。
素朴なことに注目して「なぜだろうか」と疑問を持つことが大切です。
たとえば、挨拶です。
「なぜ挨拶をするのだろうか」と疑問を持つことで、挨拶の意味や役割について論理的に考えるきっかけになります。
インターネットで調べれば、すぐ正解が見つかるかもしれませんが、自分の頭で思考することが大切です。
知識・知恵・経験を総動員して考え抜くことで、思考力が鍛えられます。
仕事の意味も大切なポイントです。
「なぜ仕事をする必要があるのだろう」と疑問を持つこともあるでしょう。
「食べていくため」「社会貢献のため」「家族を養うため」など、自分なりにさまざまな思考を張り巡らしてみます。
常識や固定観念にとらわれず、自由な発想で率直に感じたことを考える。
もちろん適当に考えるのではなく、できるだけ筋道が通るように考えることが大切です。
このとき、脳が鍛えられ、論理的思考力が鍛えられていきます。
日々のニュースも、論理的思考を深める絶好の材料です。
ニュースは「疑問の宝庫」と言っても過言ではありません。
「なぜ今年は、台風が多いのだろうか」
「なぜデフレから脱却できないのだろうか」
「なぜ生涯未婚率が増加しているのだろうか」
「なぜ国内の消費が冷え込んでいるのだろうか」
「なぜ都心部の不動産が値上がりしているのだろうか」
答えが見つからなくてもいいのです。
大切なのは「素朴なことに疑問を持って、理由を考える」ということです。
学校の授業とは違い、間違っても叱られることはありません。
いくら間違えても、減点も落第も罰則もありません。
素朴なことに疑問を持って、楽しみながら考えていきましょう。
なかなか正解が見つからなくて苦労することもありますが、知的好奇心を大切にすれば、考えることも楽しくなります。
素朴なことに疑問を持って、理由を考えてみることが、論理的思考力を鍛える基本なのです。