問題の種類によっては、すでに正解が存在するものもあります。
たとえば、学校教育で行われる試験問題です。
学校教育で行われる試験問題では、選択式・記述式など解答形式はさまざまですが、あらかじめ解答が準備されています。
問題集の種類によっては、解答のほかに、詳しい解説が準備されていることもあります。
解説を読めば、解答までのプロセスがわかるので、勉強もはかどります。
このとき、少し考えてわからなければ、すぐ解答を見たくなるかもしれません。
手の届く範囲に解答があるなら、気になって早く確認したくなるでしょう。
「早く解答を知りたい」
「考える時間がもったいない」
「さっさと解答と解説を確認して次に進みたい」
もちろん十分考えた後ならいいのです。
自分なりに考え抜いて、それでもわからなければ、解答を確認するのも納得です。
十分考えて行き詰まった状態なら、解説の意味もよく理解できるでしょう。
しかし、十分考えることなく、すぐ解答を確認するのは注意が必要です。
すぐ解答を確認する癖がつくと、考える機会まで失われます。
すぐ解答を見てしまうと、勉強は前進するかもしれませんが、思考力を鍛えることができません。
正解がわかった瞬間、考える緊張感が失われます。
すぐ解答を確認する癖がつくと、すぐ考えるのを諦める癖もついてしまいます。
すぐ回答を確認する癖があると、思考力は鍛えられないのです。
思考力は、考え抜くことに意味があります。
自分の知識や経験を総動員させ、できるだけ深く思考することが大切です。
表向きは前に進んでいないように見えても、頭の中は高速回転になっている状態です。
「もう少し考えてみよう」「別の方法はないだろうか」と粘る気持ちが大切です。
この悩み苦しんでいる瞬間こそ重要です。
本人は苦痛でたまらないかもしれませんが、思考力が鍛えられている瞬間です。
なかなか結論が出なくても、しばらく粘って考えていると、ふと解答が見つかることもあります。
どこまで考えたときを「十分」とするかは、状況によって異なります。
制限時間があるなら、制限時間ぎりぎりまで考えるのがいいでしょう。
制限時間がなければ、自分の中で一定の結論が出るまでがいいでしょう。
解答と解説を確認するなら、十分考えた後が適切です。
十分考えた後に解答と解説を確認すると、苦しんで悩んだ分だけ、しっかり理解と記憶ができるのです。