論理的思考では、勘を取り入れることも大切です。
勘とは、知識・経験・熟慮に基づかず、直感で判断することをいいます。
「第六感」と呼ばれることもあります。
「論理的思考に勘は不要」
「勘に頼るのは、論理的ではない」
「論理的思考に、勘を取り入れるなんて言語道断」
そう思う人もいるかもしれません。
たしかに勘には、根拠も証拠もありません。
ぼんやりした感覚です。
勘が働いた理由を説明できないことも少なくありません。
そもそも勘と論理は対照的なことであるため、ひも付かないと考える人も多いはずです。
しかし、時として勘は、論理的思考に役立つことがあります。
たとえば、仮説です。
仮説を立てるときには、さまざまな可能性を考えることになるでしょう。
このとき、勘を働かせて「こうではないか」と仮説を立てます。
勘を働かせて仮説を立てることは重要です。
また、勘という論理を無視した考え方を取り入れることで、意外な突破口を見いだすこともあるでしょう。
勘は根拠がないと思われがちですが、完全に根拠がゼロというわけではありません。
勘は、今までの知識や経験が元になっています。
ある出来事に直面したとき、記憶から似たような過去の出来事を検索して、ぼんやりした感覚として湧き出てきます。
ぱっと表れては、さっと消えます。
いわば、勘とは、水面にある無意識が、一瞬だけ顕在意識として表面化した状態です。
もともと自分の知識や経験が元になっているので、完全に根拠がゼロというわけではないのです。
すべてを勘で進めるわけにはいきませんが、判断に迷ったときには、勘を頼りにして考えてみることも大切です。
「なんとなくこうではないか」という考えは、証明では使えませんが、仮説ではどんどん活用していきたい。
無意識の力を利用することで、新しい発想やアイデアが生まれやすくなります。
勘を働かせることで、論理的思考の近道を見つけやすくなるでしょう。