論理的思考力を鍛えるとき、ありがちな誤解・失敗があります。
早く結論を出そうとすることです。
問題解決に着手した際、スピードを意識しながら結論を出そうとする人がいます。
「少しでも早く結論を出したい」
「1分1秒でも早く結論を出したい」
「素早く結論を出せるほうが素晴らしい」
スピードを意識した結果、少しでも早く結論を出そうと意識することがあります。
たしかに結論を出すなら、遅いより早いほうがいいでしょう。
できるだけ早く結論が出たほうが、それだけ早く次のステップにも進めます。
また早く結論を出せるほうが、知的でかっこいい印象も出るでしょう。
映画やドラマで登場する賢い人たちは、素早く結論を出す様子が目立ちます。
その影響もあってか、論理的思考力を鍛えるには「早く考えなければいけない」という思い込みが生まれがちです。
しかし、ここに大きな誤解があります。
「論理的思考力」と「早く結論を出す力」は、別問題です。
論理的思考力とは、筋道を立てて考える力であり、早く結論を出す力ではありません。
早く結論を出せる人は、筋道を立てて考えることに慣れていて、集中して考えた結果にすぎません。
論理的思考に慣れていない人が、玄人の真似をして、最初からスピードを意識するのは注意が必要です。
タイムプレッシャーが加わることで、焦りや不安が生まれ、論理的思考を妨げます。
どんなに早く結論が出たところで、それが間違っては意味がありません。
論理的思考力を鍛えるなら、スピードを意識しないのが得策です。
早く結論を出すことではなく、正しい結論を出すことを意識しましょう。
少し遅くなってもいいので、正しい結論を出そうとすることが第一です。
最初は時間を気にせず、納得のいく結論が出るまでじっくり考えるのが得策です。
思考状態を書き出してみる。
情報を分類して、まとめてみる。
時間をかけてじっくり考えてみる。
不明点があれば、調べてみる。
仮説と検証を納得がいくまで繰り返してみる。
早く結論を出すことではなく、筋道を立てて考えることに集中したほうが、論理的思考力は鍛えられます。
早く結論を出す力は、後から身につきます。
筋道を立てて考えることに慣れていくにつれて、だんだん素早く正しい結論を出せるようになります。