人付き合いのうまい人は、褒めるのがうまい人です。
相手の魅力的な長所を見つけ、褒めてあげます。
褒められたほうは、自分の自尊心をくすぐられますから、嬉しいものです。
時には自分でも気づかなかった長所に気づかせてくれることもあります。
褒めることで、人から好感をもたれるのです。
これはアメリカ人が得意です。
アメリカ人は、何かと褒めます。
私もアメリカに来てから、アメリカ人に数え切れないくらいにいろいろなところを褒めてもらいました。
ホームステイのころも、褒められました。
忘れられないことは、私の「目」を褒めてくれたことです。
実は当時の私は、自分の目があまり好きではありませんでした。
小学生のとき、先生に叱られている最中に割り込んだ他の先生が「彼の目つき、悪いですね」と言った一言がショックでした。
それがきっかけで自分の目を気にするようになったのです。
子どものころのコンプレックスは、ほんのささいなことから始まります。
たったその一言がきっかけで、ずっと引きずるものなのです。
ホームステイをしていた19歳のとき、私の目をホストファミリーの人が褒めてくれました。
「彼の目はキュートだ」という褒め言葉には、本当に驚きました。
意外であったため、本当に嬉しかったのです。
思わず、鏡を見てしまったくらいです。
何年も前のたった3秒くらいの一言です。
いまだに覚えているということは、よほど驚きだったのでしょう。
ホストファミリーは何人かいましたが、彼女が一番のお気に入りになってしまいました。
彼女はほかにもいろいろなところを褒めてきます。
それは自分でも気づいていないところまで、うまく持ち上げてきます。
褒め殺してくるのです。
私は殺されるのは嫌いですが、褒め殺されるのは好きです。
自分を褒めてくれた人には、つい好感を持ってしまいます。
「褒めてくれたということは、私に対して好感を持っている。だから私も相手に好感を持つ」という単純な人間の心理です。
目を褒めようが、どこを褒めようが、何を褒めようが、何でもいいのです。
大切なことは「褒めること」です。
それだけで、相手は好感を持ってくれるのです。