執筆者:水口貴博

部下を叱る30の方法

22

ひどく叱っても、普段どおりに接するよう心がける。

ひどく叱っても、普段どおりに接するよう心がける。 | 部下を叱る30の方法

私が中学3年生のころの担任は、岡田先生という男性教師でした。

普段は、優しい先生でしたが、ある日、ひどく叱られたことがありました。

「優しい先生ほど怒るときは怖い」と言いますが、まさにそれです。

学校で最も優しい先生は、怒ると学校で最も怖い先生になります。

その結果、先生と私との間で関係がぎくしゃくしたことがありました。

やはり強く叱られると、暗い雰囲気を引きずってしまいます。

特に強く叱られたときほど、落ち込みも激しくなります。

引きずるのは仕方ない。

しかし、なんと、あることがきっかけで元の関係に戻れました。

その理由とは何か。

何のことはない、先生がいつもどおり私に接してくれたからです。

叱られた私は叱られたことを強く覚えています。

しかし、先生は叱ったことなど忘れてしまったかのように、いつもと変わらず接してきます。

それが、普通です。

ほかの生徒と分け隔てなく、淡々と話しかけてきます。

その雰囲気のおかげで、私も肩の力が抜けました。

知らず知らずのうちに先生といつもの関係に戻れました。

今振り返って考えると、おそらく先生は意図的に普段どおり接するよう心がけていたのでしょう。

ぎくしゃくした雰囲気を引きずらないために、先生なりの心のケアでした。

もちろん先生と生徒の話ではなく、上司と部下でもまったく同じです。

叱るときには、メリハリが大切です。

部下を叱るときは、叱ります。

部下が反省したら、上司はきれいさっぱり忘れます。

忘れてしまったかのように、いつもと変わらず接するように心がけます。

大切なことは「叱った後ほど普段どおり接すること」です。

これに尽きます。

何もなかったかのように接します。

本当は気になっていても、気になっていないふりくらいは見せてください。

叱る側には、そういう芝居も必要です。

叱った側から積極的に働きかけてください。

叱られた側は気持ちが落ち込みがちですから、叱った側こそ普段どおりに話しかけたり接したりするのです。

部下を叱る方法(22)
  • 叱った後こそ、普段どおりに接する。
管理者を通して指摘をすれば、上司と部下の関係にひびを入れなくて済む。

部下を叱る30の方法

  1. 叱られ上手は、叱り上手になる。
  2. 相手を落ち込ませるような叱り方は失格。
  3. ミスをしたタイミングで指摘するのが、一番いい。
  4. 大勢の前で叱らない。
  5. 叱るときには、2人になるのがベスト。
  6. 自分の都合で叱らない。
  7. 感情的に叱らない。
  8. 叱る前に、状況をよく確かめる。
  9. お説教は、短いほどためになる。
  10. 指摘がいくつかあるときは、最初に指摘数を伝え、短く絞る。
  11. いつまでも過去の過ちを言い続けない。
    昔の話を引っ張り出さない。
  12. 人格を否定する言葉は使わない。
  13. 厳しい指摘は反抗される。
    明るい指摘は受け入れてもらえる。
  14. 叱るときは、腰を低く、丁寧な態度になる。
  15. 他人と比べて、叱らない。
  16. 追い込むように叱ると、泣けてくる。
  17. 肯定から始まると、後に続く言葉も受け入れやすくなる。
  18. クッション言葉を使えば、上手に叱ることができる。
  19. 理由のない指摘では、部下は納得しない。
  20. 一瞬で終わらせるお説教は、注射と同じ。
    痛い時間が短いからこそ、よく効く。
  21. 「こら!」という言葉を使わないように心がける。
  22. ひどく叱っても、普段どおりに接するよう心がける。
  23. 管理者を通して指摘をすれば、上司と部下の関係にひびを入れなくて済む。
  24. 手紙やメールを使えば、落ち着いてメッセージを伝えやすい。
  25. 「しなさい」より「しましょう」。
  26. 叱るときこそ、部下に発言をさせる。
    部下を叱るとき、一方的に上司から部下へと叱っていませんか。
  27. 「絶対に間違えるな。
    失敗するな」と言われると、部下は余計に緊張する。
  28. 最もミスが少なくなるのは、リラックスしているときだ。
  29. にこにこしながら口にする言葉は、ありがたく聞こえてくる。
  30. どんなに感情的になっても、暴力だけはふるわない。

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