できないときは、きちんとできないことを伝えたほうがいいのです。
断るとき「難しい」「厳しい」という言い方がよく聞かれます。
もちろん日常で使う分にはいいのです。
柔らかく断る意味で「難しい」「厳しい」という言い方は、ビジネスでもプライベートでもよく使われる、一般的な言葉遣いです。
相手はできないことを理解して、次に話が進みます。
しかし、本当に「無理」「不可能」という状況があり、そのことをはっきり伝えなければいけない場面もあります。
本当にできないのなら、誤解がないよう正確に伝えなければいけません。
そういったときまで「難しい」「厳しい」という言い方をすると、誤解を生む恐れがあります。
「難しい」「厳しい」ということは「頑張ればできるかもしれない」ということです。
わずかながら可能性が感じられます。
言葉を濁したり曖昧な答え方だったりすると、相手は「可能性がある」「できるかもしれない」と解釈します。
こちらの意図がうまく伝わらず、誤って解釈された結果、話がこじれるケースがあるのです。
もちろん相手を不快にさせない言葉遣いは大切ですが、一方で誤解がないよう伝えなければいけないときもあります。
どうしてもできないときは、やはりそのことをはっきり伝えたほうがいいのです。
「できない」という言い方には表現にとげがあって、抵抗を感じることもあるでしょう。
そういうときにおすすめなのは「できかねます」という表現です。
「できません」を丁寧に表した表現です。
「したい気持ちがあるけれど、できない」というニュアンスを表現できます。
「申し訳ございませんが、○○することはできかねます」という言い方なら、相手を不快にさせる心配はありません。
柔らかく丁寧な表現でありながらも、はっきり断ることが可能です。
相手は正確に意味を理解したうえで、話が進むのです。