ピンチを乗り越えるとき「何もしないのがベスト」というケースがまれにあります。
「乗り越える」という響きのためでしょうか。
「ピンチを乗り越える=何かをしなければいけない」と考える人が多いのではないでしょうか。
たしかにピンチの多くは、何らかのアクションが必要とされることが一般的です。
じっとしていたり、天に向かって祈ったりするだけでは状況が変わりません。
自分に非があるなら謝罪が必要であり、問題点があるなら改善が必要です。
しかし、アクションが必要なケースがある一方で、希有な例外もあります。
ピンチの解決策を熟慮した結果「何もしないのがベスト」というケースもあるのです。
大けがで入院することになったとき、医師から絶対安静を指示されることがあります。
絶対安静と言われたときは、何もしないのが一番です。
散歩や筋トレなど余計なことをすると、けがの回復が遅くなったり、かえって悪化させたりします。
リハビリも、医師の許可が出るまではNGです。
ベッドの上で読書や映画鑑賞を楽しむくらいがいいでしょう。
入院中の時間を使って本をたくさん読めば、それはそれでピンチをチャンスに変えるともいえます。
巨大台風が直撃しているときは、自宅でじっとしているのがベストです。
農園を見に行ったり、食糧の心配で買い物に出かけたりなど、うかつに外出するのは危険です。
「ちょっとだけ」という油断が命取りになります。
どんな台風も、時が経てば、いずれ過ぎ去ります。
外出は控えてひたすら部屋で静かに過ごしているだけで、自然とピンチが収まり、再び平穏が訪れるのです。
解決策を熟慮した結果「何もしないが良い」という結論が出たら、ひたすら何もしないのがベストです。
何かをしなければいけないという固定観念にとらわれていると、余計な行動を招きます。
体がうずうずするかもしれませんが、きちんと衝動を抑えることが大事です。
理性を持ってしっかり自分をコントロールすることが求められます。