「トラブル」と「ピンチ」を区別することです。
トラブルとは、もめごと、故障、不調のことをいいます。
ピンチとは、追いつめられて非常に苦しい状況のことをいいます。
それぞれ似て非なるものであり、意味が異なります。
「トラブル=ピンチ」のときもあります。
たとえば、大きなトラブルの場合や、やり直しの利かないトラブルの場合は、同時に苦境に立たされている状況でもあります。
そういう重大トラブルの場合であれば、ピンチと言うこともできます。
しかし、普通のトラブルなのに「ピンチ! ピンチ!」と騒ぎ立てる人がいます。
どれも大げさです。
こういう人は、ピンチが口癖になっています。
何でもかんでも「ピンチ、ピンチ」と言わないことです。
ピンチとは「後がなくぎりぎりの状況」という意味であり、ささいなトラブルのことをピンチと呼ぶのはふさわしくありません。
ピンチは、強い言葉です。
必要以上のストレスを感じてしまい、焦りや不安を助長させる結果となります。
ぶるぶる震えたり、変な冷や汗をかいたり、無駄に涙を流したりするのです。
周りにも誤解を与えます。
「ピンチと騒いでいるが、よく見たら小さなことじゃないか」と思われ、信用を落とすことになります。
何でも大げさに言っていると、愛想を尽かされます。
「お騒がせな人」として認定され、言葉を信じてもらえなくなるのです。
普通のトラブルを、ピンチと大げさに言っていないか振り返ってみてください。
ピンチという言葉は、ピンチのときに使うものです。