競争の勝者は誰でしょうか。
普通に考えると「1位でフィニッシュした人」と考えることが多いのではないでしょうか。
たとえば、短距離走・長距離走といったスポーツなら、1位でフィニッシュした人が勝者です。
実用化を求められる研究なら、一番早く結果を出した人でしょう。
スピードが求められる仕事なら、一番早く仕上げた人でしょう。
もちろん1位でフィニッシュした人は、紛れもない勝者です。
1位は1位。
1位という実績は、高い能力と実力の証明です。
誰よりも優れた結果であることが客観的に証明されています。
1位という実績があれば、自分に自信がついて、自己肯定感も高まるでしょう。
しかし、ここに誤解があります。
1位でフィニッシュしたから、100パーセント満足しているとは限りません。
1位でフィニッシュしたとしても、不足や欠点が多くて本人が不満なら、嬉しい気持ちも半減するでしょう。
1位という結果は素晴らしいですが、本人が満足していないなら、心から喜べません。
逆に、心さえ満足しているなら、結果に関係なく幸せです。
大切なのは「フィニッシュの瞬間、笑顔があるかどうか」です。
笑顔があるということは「プロセスに満足している」「充実した時間を楽しんだ」「心残りがない」という証拠。
つまり「心が満たされている」ということです。
結果は不十分かもしれませんが、自分では満足していて、幸せを感じています。
1位でなくても、本人の心が満たされているなら、勝者です。
たとえ最下位であっても、心が満たされているなら、立派な勝者と言えるのです。
自分の勝利は、自分で判定しましょう。
結果も大切ですが、結果だけに惑わされないことです。
不器用でもいい。
マイペースでもいい。
自分らしいプレイができているなら、それでいい。
自分が「勝った」と思ったら、それが正解です。
自分にとって素晴らしいなら、幸せと満足を感じることができます。
「楽しかった」「素晴らしい時間だった」「貴重な体験だった」と心から喜べます。
そして、両手を挙げて、にこにこしながらフィニッシュができるでしょう。
自分なりに勝利を感じていれば、結果に関係なく、勝者です。
1位でフィニッシュした人だけが勝者ではありません。
笑顔でフィニッシュした人は、すべて勝者なのです。