狭い道で車の運転をしていると、向こうからも車がやってくることがあります。
1台が通るには問題ないが、2台の車がすれ違うほどのスペースはない道です。
こういうときには、どちらかの車がバックをして、道を譲らなければなりません。
もちろんどちらの車も早く先に進みたいことでしょう。
しかし、1台しか通れないような道で、車がすれ違おうとするのは無理があります。
単純な話ですね。
車の運転では間違えませんが、人生という道では、うっかり忘れている人が多いのです。
人とぶつかるというのは、1台しか通れない道を、すれ違って進もうとしている車の状態と同じです。
そもそも1台しか通れるスペースがないのですから、ぶつかるのは当然です。
衝突は「譲ることを忘れたとき」に発生します。
初めから「ここは2人分が通れるスペースはないな。私が道を譲ろう」と思えば、こういうことにはならないはずです。
面倒かもしれませんが、自分が譲る側になるほうがいいのです。
結果として、衝突がなくなり、いらいらが減り、時間の節約にもなります。
どうすればいいのかわからなければ、ひとまず「譲る」という行為に出れば間違いありません。
「譲る」という行為は、衝突をなくす心の習慣です。
狭い道を無理して進もうとするから、途方に暮れるのです。
進めなくて困ったときには、相手にけしかけるのではなく、譲るのです。
譲れば、道ができます。
すると、前へと進めるようになります。
壁に当たったときというのは、あなたが譲ることを忘れている証拠なのです。
譲ることを忘れているから、進めないだけです。