私はトラブルになったときに「まあ、死ぬわけではないからいいか」という口癖があります。
この言葉を口にした瞬間、いらいらしていた心が落ち着き、いつの間にか、自然に口にするようになりました。
「死ぬわけではないからいいか」と言うと、友人から「そんな大げさなことじゃないでしょ」と言われます。
一度大げさに考えてから、もう一度日常に視点を戻すと「たったこれだけのことだったのか」とわかるのです。
いわゆる「白ける」という状態です。
死という究極のトラブルと、今、目の前のトラブルとを比べて考えると、必ず目の前のトラブルのほうが小さいことに気づきます。
死という高い視点から物事を見てしまうと、視野が広く、寛大になるからです。
大局から見ると、すべてが大したことがないとわかります。
日常におけるささいなトラブルは、自分の死と比べれば、すべて大したことのないことです。
しかし、大したことのないことに、私たちはいらいらして、寿命を縮めてしまっているのです。
ジュースがこぼれて服が汚れていらいら。
人とすれ違ったときに肩がぶつかり、いらいら。
上司、先生から叱られて、がっくり。
受験に失敗して落ち込む。
友人と意見がぶつかり、怒ってしまう。
すべて、死に比べたら、大したことはありません。
寿命が短くなるのは、大したことのないことにいらいらしてしまうからです。
「別に死ぬわけではないから、まあいいか」という口癖があると、この当たり前の事実に気づいてしまいます。
いらいらしないような道を選ぶほうが、結果として心は安定して、寿命が延びていきます。