「水口君、この仕事、君に任せた」
ある日、突然、上司から大きな仕事を任されたことがありました。
小さな仕事ならまだしも、大きな仕事であり「なぜこんな大きな仕事を私に?」と困惑したことを覚えています。
しかし、それからというもの、私は必死になって仕事をするようになりました。
自分はこれほど集中力があるのかと驚いてしまうほど、自然とやる気や集中力が出てくるのです。
自分の仕事の出来具合に、仕事の成功と失敗がかかっているのですから、責任を感じずにはいられません。
一生懸命にならざるを得ません。
これは、頭では理解できることではありません。
実際に体験しないと、この不思議な感覚は味わえません。
大きな責任を感じると、人間はぐんぐん成長します。
意識が高くなるからです。
「子を産むと人は変わる」と言いますが、子どもを育てるという責任を背負うからです。
責任というストレスが適度にあるほうが、人間は強くなります。
上司は私の成長を思って、あえて大きな仕事を任せてくれたのでした。
私がそうして成長してきたように、今、成長してもらいたい部下には、あえて大きな仕事を任せるようになりました。
もちろん大きなリスクがあります。
「全部任せた」とお願いをして、見ていないふりをしますが、一応ばれないように見ています。
そうした教育が、部下のためになり、短時間で大きく成長できます。
責任の重い仕事は、それだけ成長のチャンスにもなります。