私たちは、なぜお金が貯まらないのでしょうか。
みんな、こう言うでしょう。
「金銭感覚がないから」
まったくそのとおりです。
金銭感覚がないから、なかなかお金を上手に扱えないのです。
人間は肌の感覚があるから痛みを感じて、危険を回避して、より安全な選択をすることができるようになります。
しかし、金銭感覚がないと、お金の痛みを感じることがないため、危険を回避することができず、安全な選択もわからないのです。
キーポイントは「金銭感覚」です。
では、なぜ金銭感覚がないのでしょうか。
私は、この秘密を知っています。
きちんと説明しようとすると、人類の誕生まで、話が遡ります。
省略して話をするのは読んでいるあなたに失礼ですから、きちんと説明します。
私たちは、この世に裸一貫で生まれてきました。
先祖代々から受け継がれてきた遺伝子DNAにより、生まれたときから「本能」というものがあらかじめ植え付けられています。
食べるものを求める欲求、睡眠を求める欲求、安全を求める欲求、生存に関わる重要な欲求、子孫を残すための欲求です。
生まれてきた動物は「死にたくない」という思いから、食べるものを求め、睡眠を求め、生殖をして子孫を残すことを求めました。
これらを合わせて「生存欲求」といいます。
これは、私たちが人間になるホモサピエンス以前から、ずっと受け継がれてきたことです。
いえ、まだ人間が陸に上がる前から、ずっと受け継がれてきたDNAに染み込んでいることです。
この欲求は大変に強いのです。
一方「お金」というテーマはどうでしょうか。
食欲、睡眠欲、安全欲、性欲などの欲求は大昔からあったことに対して、お金はそもそも地球には存在していませんでした。
お金を作ったのは誰でしょうか。
それは、人間です。
人間が物の交換(物々交換)では、やりとりが不便だという理由から、仲介できる共通のルールとして「お金」が誕生しました。
地球の長い歴史から見れば、つい最近誕生した要素です。
いえ、まだ生まれたばかりのテーマと言っていいでしょう。
食欲や睡眠欲といった感覚や本能は、DNAに刻み込まれている遺伝子の記憶により、生まれつき存在しています。
お金に関する感覚や本能は、生まれたばかりの状態のため「ない」のです。
生まれたときに肌の感覚があるのは、生存欲求を求める人間のDNAにそういう設計図があるからです。
しかし、お金に関する感覚がないのは、人間が後から作り出したことであって、まだ誕生したばかりだからです。
お金に関する感覚は、すべての人間は「ない状態」から生まれてきました。
私たちが生まれたばかりの状態では、みんな、金銭感覚ゼロの状態なのです。
この金銭感覚は、後から身につけなければならない後天的な感覚です。
生まれてからどのような経験をするかにより、どれだけ感覚を体に染み込ませて、生活に生かすかが、決まってしまうのです。
お金の感覚はない状態から生まれたので、仕方ない。
しかし、生きるためには、お金はどうしても必要なことです。
生きるためにはどうしても必要なお金に関する感覚がない状態で生まれてきたので、私たちは金銭感覚に苦労をしているのです。