お金も性も、誰もが一度は触れる必要な知識です。
にもかかわらず、学校では積極的に触れようとはせず、むしろ顔を背ける傾向があります。
お金や性の話を先生に言うと「子どもがそんなこと言うものではありません」と叱られます。
お金の勉強は、学校では十分にできません。
では、どこで最初に学ぶのかというと、両親からです。
両親の生活習慣から、お金の関する哲学を学ぶのが第一です。
私の両親が心がけているお金持ちになる習慣といえば、真っ先に「節約」が思い浮かびます。
私の母は、とんでもない節約家です。
たった10円高いだけで、騒ぎ始めます。
私の両親は常に徹底的な節約を心がけています。
特に母は、お金に関してはうるさい人で、少しでも出費が削れるところは削り、大切なお金が逃げないようにしています。
少しでも安いところはないのかとチラシを見比べたり、時には水口家の畑にある野菜で済ませたりしています。
「お礼」に関しても、母はお金を惜しみません。
普段はどんなに節約しても、お礼を書く手紙やお歳暮などには節約はせず、しっかりお金を使います。
うっかり忘れることはなく、事前に誰に何をあげるべきかを紙に書いて、デパートへ行くほどです。
私の父は、物を買うときには必ず店員さんと話をして、値切りを始めます。
まず値札に書いてある値段では素直には買わず、店員さんと何度か値段についてのやりとりをしてから、やっと買います。
「大安売り!」と値札に書いてあるにもかかわらず「これ、もう少し安くならない?」とさらに追い打ちをかけます。
昔と違って、クレジットカードで買い物をする機会が増えました。
簡単にクレジットカードを作れるようになりました。
クレジットカードで支払えるお店も増えました。
チャンスのときにはお金を惜しまないことが、お金を上手に使うコツです。
運よくチャンスが巡り回ってきたときには、お金をかけておかないと有効活用できないのです。
運よくチャンスがつかめても、お金を使わなければせっかくのチャンスが水の泡になりかねません。
お金持ちになりたければ、お金の自慢は控えるのが賢明です。
お金の話はいいのですが、自慢はNGです。
経済的に余裕ができると、豊かさを周囲に見せつけ、羨ましく思われたい気持ちが出てくるかもしれません。
お金を稼ぐ方法は、夫婦揃って共働きをすることです。
収入の入り口が1つであるより、2つであるほうが、お金がより多く入り、それだけ生活が楽になります。
ただし、いつも家には誰もいない状態が理想的かというと、そうではありません。
私は基本的に明るいほうです。
これは父と母からの影響を大きく受けているからです。
私の父も母も楽観主義で、明るい性格の持ち主です。
「風邪を引いたくらいで学校を休むな」
私は小さなころから、父からそう言われてきました。
体調が悪いときに「学校を休みたい」と母に言うと、父が横から「ダメだ」と一言です。
「いい嫁に恵まれた」
ときおり、私の父は、母との出会いに感謝を述べます。
もう50を過ぎてこんな言葉が言えるというのは、よほどのことだと感じられます。
お金を上手にためていくことには、日々の「習慣」こそが重要です。
一時的な考えではなく、当たり前の習慣として体に染み込ませておかないと、長続きがしないのです。
「1週間だけ節約しよう」と期間や制限を決めてしまう人は、決まってお金が貯まりません。
私の父は、いつも新聞を片手にうろうろしています。
暇があれば新聞、車の中にも新聞、テレビを聞きながら新聞、朝食を取りながら新聞です。
仕事から帰ってきても夕食を食べながら新聞というくらいです。
お金は使ってこそ、巡り回ってまた自分のところへ返ってきます。
使わないと戻ってきませんし、返ってこなければ、使い方が下手だと言うことです。
一時的な快楽のために使ったのでは、そこからは何も生まれてきません。
一流のワインのソムリエは、常に一流のワインばかりに触れていることをご存じですか。
有名な鑑定士も、いい仕事の古物ばかりに触れる一方、本物以外はできるだけ触れないようにしているといいます。
作家も同じです。
いくらお金を持っていたところで、友人がいなければ意味がありません。
友人との関係がなければ、遊びに行くことも飲みに行くこともないですから、それだけ節約ができてお金も貯まることでしょう。
電話代も節約でき、会うこともなければ、たしかに時間もお金も節約できてしまいます。
努力を伴わず手に入ったお金は、羽がついたかのように、あっという間に消えてなくなります。
努力をして手に入れたお金ではありませんから、軽い気持ちで使ってしまうのです。
たとえば親からのお小遣いです。
「好きな仕事を選んだから、楽しくやってこられた」
これは私の父が、よく口にする言葉です。
つい先日、父は無事退職を迎えました。
「経営者が2人いる会社はつぶれる」という法則をご存じですか。
会社を代表し管理する人間が2人もいてしまうと、それぞれの考えがぶつかり、喧嘩別れしてしまうわけです。
私は以前、この現実を目にしたことがあります。
私の実家は、愛媛県の伊予市という田舎の地域にあります。
実家の周りは、田んぼや畑だらけです。
家の周りに畑があるというより、畑の中に家があるというほうが、イメージとしては合っています。
お金は使わないと増えません。
お金を増やすなら、使うのが一番近道です。
お金を使って、しっかりリターンがあるなら、お金を使えば使うほど増えていくようになります。
私の父も母も普段こそは節約家ですが、家族旅行のときに限ってはお金をどんと使います。
いつもはそれこそ身を削るような思いで節約しているというのに、それを帳消ししてしまうくらいに家族旅行にはお金を使うのです。
母は「家族旅行のときくらいはお金を使わないといけない」と言います。
お金をうまくためて使うためには、何のためにためて使うのかという目的をしっかり決めておかなければなりません。
目的があるからお金を稼ぎ、目的に近づくためにお金を使います。
自分の夢であったり趣味であったり、息抜きなどです。
お金を貯めることが人生の目的ではありません。
貯めてばかりのお金は、単なる精神安定剤となるお守りです。
お金は使ったときに効力を発揮します。
母は節約のために、よくウインドーショッピングをします。
しかし、勘違いしないでください。
買うためにウインドーショッピングをするのではありません。
父と母には、早起きをして犬のクッピーと一緒に散歩をする習慣があります。
犬の散歩は定期的にしてあげないと、犬もストレスがたまってしまいます。
だからとはいえ人間も定期的に運動しないと、運動不足になります。
私の実家では農業をし、自給自足をしているため、いろいろな作物を育てています。
品物として売り出しているのは、ミカンが中心です。
そのほかの作物は、基本的にすべて水口家の食卓に並ぶことになっています。
お金持ちに共通していることは、節約を心がけている点です。
それは「必要、不必要」のラインをしっかり引き、衝動買いや見栄や周りに流されるといった買い方をしないということです。
節約が癖になると、お金が不要に流れ出ることはなく、有効活用ができるのです。