常に冷静でいるために、時には「演技」も有効です。
焦りや動揺を感じたとき、そのまま表に出すのではなく、冷静のふりをしてください。
手に汗をかいていようと心臓の鼓動が早くなっていようと、表向きは平静を装います。
手に汗をかいていても、相手にはわかりません。
心臓がばくばく高鳴っていても、相手に聞こえるほど音が響くわけではありません。
演技には感情に影響を及ぼす作用があることで知られています。
役者が悲しい人になりきって演じると、本当に悲しい気持ちとなって自然と涙が出てくる話は有名ですが、それと同じです。
本気で演じると、そのとおりの感情となり、心身にまで影響を及ぼします。
動揺していても、冷静のふりを演じていると、本当にそのとおりになります。
自律神経の興奮が収まりが早くなり、スムーズに落ち着きを取り戻せるはずです。
これを心理学で「アズイフの法則」といい、イギリスの心理学者リチャード・ワイズマンが提唱している法則です。
いわゆる「人は、幸せだから笑うのではなく、笑うから幸せになる」という考え方です。
行動と感情には密接なつながりがあり「行動が感情を決定する」というものです。
これは冷静のふりをすることにも同じことが当てはまります
冷静なふりをすることで落ち着いた感情が生まれ、血圧や心拍数の安定にもつながります。
嘘でも演技でもいいので、冷静のふりを貫くことです。
「冷静な人」をイメージしながら完全になりきって演技すれば、本当にそうなるのです。