お店に入って、メニューを眺め、食べたい料理を決めました。
注文をしようとしたところ、店員さんから出来上がりの時間について「ちょっとした一言」を言われることがあります。
「少々お時間をいただきますが」です。
調理に時間がかかるため、少し待ち時間が長くなってしまうことを言われることがあります。
もう少し具体的に言われることも少なくありません。
「15分ほどお時間をいただきますが、よろしいでしょうか」
こういうセリフを言われたとき、どう思うかです。
「そんなに時間がかかるの?」
「時間がかかるのは困るなあ」
「なんだよ。サービスが悪いな」
むっとしていませんか。
もちろん急いでいるときもあるでしょう。
時間に余裕がないならメニューの変更も必要です。
注文段階でのメニューの変更は、まったくマナー違反でも何でもありません。
「なんだよ。そんなに時間がかかるの?」と文句を言ってはいけません。
店員さんをせかすわけにもいきません。
調理に時間がかかるのは仕方ないことです。
しかし、特に急いでいないなら、ここは大切な場面です。
「時間がかかって嫌だな」とむっとするのではありません。
「料理に時間がかかることを教えてくれてありがとう」と感謝するのです。
もし時間がかかることを教えてもらえていなければ、どうなっていたでしょうか。
なかなか料理が出てこなくていらいらしていたに違いありません。
いらいらしてストレスを感じると、それだけ料理の味にも悪影響を及ぼします。
純粋においしい料理を楽しめなくなります。
だからこそ、注文段階で調理に時間がかかることを言ってもらえると助かります。
「待ち時間が長くなるのですね」とわかります。
心の準備ができます。
待ち時間があっても苦にならず、いらいらしなくてすみます。
待ち時間はかかったとしても、上手に活用すればいいだけです。
あらかじめ時間がかかることをわかっていれば、それ相応の待ち方ができます。
15分時間がかかるなら、15分でできる暇つぶしができるでしょう。
待ち時間を使って、ちょっとまとまったことができます。
本を読んだり、仕事の資料をチェックしたり、スケジュール帳を見直したりできるでしょう。
少々待ち時間が長くても、上手に時間をつぶせばあっという間に過ぎます。
注文段階で時間がかかると言ってもらえるのは、実にありがたいことです。
「教えてくださってありがとうございます」と感謝するのが正解です。
さらに期待も高まります。
「少々お時間をいただきますが」は「調理に手間暇がかかります」という意味です。
つまり、それだけ手の込んだ料理であり、期待できるということです。
じっくり作ってくれることがわかるので、ますます料理の期待が高まるでしょう。
待ち時間が長いということは、わくわくする時間も長く楽しめるということです。
損なことではなく得なことです。
心の高揚感を長く楽しめることは、外食体験の向上につながります。
調理に時間がかかることをポジティブに捉えることです。
いらいらしないで、わくわくしながら気長に待ちましょう。
料理が出てきたときの感動もいっそう大きくなります。