「物事は簡単にうまくいってほしい」と願っている人は多い。
たしかになかなかうまくいかないと大変です。
頭をひねって解決策を考えるのは面倒です。
仕事も勉強もスポーツも、余計な手間暇はかけたくありません。
できるだけ一発でスムーズにうまくいってほしいと願っている人が多いでしょう。
しかし、一発でスムーズにうまくいくのは理想的に思えますが、本当にそうでしょうか。
ここに誤解があります。
簡単にうまくいったら、これはこれでつまらないのです。
苦労もストレスも1つもないのは理想的に思えますが、実際のところ、これほど退屈なことはありません。
ゲームをイメージするとわかります。
とても単純かつ簡単で、誰でも楽にクリアできるゲームなら、つまらなく感じるでしょう。
敵のいないロールプレーイングゲーム。
答えが表示されているパズルゲーム。
直線コースしかないレーシングゲーム。
最初から無敵のシューティングゲーム。
弱い対戦相手しか出てこない格闘ゲーム。
最初から犯人がわかっているアドベンチャーゲーム。
どれも最高に楽ですが、最悪につまらないはずです。
プレイを始めた瞬間、何の苦労も試行錯誤もなく、すらすら進めてしまうとつまらない。
「楽しい」「面白い」という感覚もなければ、はらはらどきどきすることもない。
ゲームをやっている感覚がなくなります。
「ゲーム」というより「作業」をしているかのように思えるでしょう。
簡単すぎるのも、つらくて仕方ない。
あくびが止まらず、すぐ飽きてしまうでしょう。
ゲームは、なかなかうまくいかないから面白いのです。
私たちが面白く感じるのは、わくわくしながら試行錯誤をするときです。
クリアするのに悩んだり苦しんだり時間がかかったりすることが大切です。
悩みに悩んで、苦労に苦労を重ねたからこそ、うまくいったときの喜びもひとしおです。
「よし、やった!」という達成感と満足感が得られます。
ドーパミンが大量に放出され、脳の報酬系が刺激されるのです。
人生も同じです。
なかなかうまくいかないことを歓迎することです。
なかなかうまくいかなくて、幸いです。
「どうすればうまくいくだろうか」と、悩んだり考えたりするのが面白い。
トラブルが発生して、わくわくしながら解決策を考えるのが面白い。
解決したら、また別のトラブルが発生して、試行錯誤するのが面白い。
「うまくいった」と思ったら、別の問題が浮上してくるのも面白い。
もし、なかなかうまくいかないことに悩んでいるなら、楽しむ気持ちが足りないのではないでしょうか。
結果ばかりを考えていて、楽しむことを忘れているのかもしれません。
大切なことは「楽しむ気持ち」です。
もっと楽しむ気持ちを大切にしながら取り組んでみましょう。
なかなかうまくいかないことに感謝するくらいでちょうどいい。
「トラブルが発生した。さあ、どうしようか。面白くなってきた!」とわくわくすればいい。
人生は、なかなかうまくいかないから、面白いのです。