動きが遅い人がいます。
歩くのが遅い、話すのも遅い、仕事も遅い。
全体的にスピードが遅く、のろのろしています。
動きの遅い人が相手なら、勝負する前から勝ったような気がします。
スピード勝負なら、普通はスピードの速い人が勝ちます。
負ける要素がなく、勝負するまでもないように思えます。
しかし、動きが遅い人をばかにしてはいけません。
動きが遅いからといって、勝てるとは限らないからです。
『ウサギとカメ』という童話があります。
足の速いウサギと足の遅いカメが競走をした結果、最終的にはカメが勝利する話です。
油断したウサギと、地道な努力で最後まで諦めなかったカメの話です。
動きが遅い人は、スピードこそ遅いものの、ほかのところで秀でている可能性があります。
動きは遅くても、仕事の精度は高いのかもしれません。
忍耐力があって、メンタルが強いのかもしれません。
諦めない性格があって、努力家なのかもしれません。
人望が厚くて、人気者なのかもしれません。
高い技術があったり、隠している能力があったりするかもしれません。
そもそも動きが遅いふりをしているだけかもしれません。
動きが遅いだけで、勝てる保証はどこにもありません。
そもそも動きが遅い人をばかにする姿勢は、童話『ウサギとカメ』に登場するウサギの態度と重なります。
ウサギは、のろのろしたカメを見下して、油断したから負けました。
のろのろしている人をばかにしそうになったら「自分は今、ウサギになりかけている」と気づくことです。
悪気はなくても、見下している時点で油断が生まれています。
油断があると、実力やスピードの差はあっても、逆転される可能性があります。
どれだけ実力差があろうと、緊張感が抜けると、思いもよらぬ愚かな失態を犯す可能性がある。
動きが遅い人をばかにしないこと。
最後まで油断しないことが大切です。