辞書の主な使い方は、もちろん「言葉の意味を調べるため」です。
これは基本ですね。
しかし、辞書を愛用していると、ある日「別の面白さ」に気づきます。
「引くつもりのなかった単語を引いてしまうこと」です。
単語を調べている最中に、思わぬ言葉に出会います。
引いた言葉の隣に意外な単語があって、知識の幅が自然に広がります。
ある日「東京」という言葉の意味を調べている途中で、たまたま「灯台」が視界に入りました。
灯台の意味はなんとなく知っていますが、きちんとした意味を、詳しく書かれた辞書で調べたことはありませんでした。
「航路標識の1つ。沿岸航行の船舶に目につきやすく建てられた塔状の構造物で、夜間は灯光を用いて、陸地の遠近・所在・危険部分などを指示し、出入港船舶に港口の位置を示す。(引用:広辞苑)」
「陸地の遠近・所在」という意味は知っていましたが「危険部分を指示」という役割は知りませんでした。
「へえ。そうなのか」と驚き、知識の幅が広がります。
ありふれた言葉でも、あらためて意味を深く調べてみると、不足していた意味に気づきます。
「灯台」という言葉の意味を読み進めていくと、関連語に「灯台下暗し」ということわざが目にとまりました。
恥ずかしいことながら、私は「灯台下暗し」を「灯台元暗し」だと勘違いしていました。
辞書を引きながら、赤面している自分がいます。
このように、言葉を引いている途中で、思いもしない言葉の意味に出会ったり、自分の間違った解釈に気づいて赤面したりします。
別の辞書の面白さがあります。
偶然の言葉の出会いを導いてくれるのが、辞書の素晴らしさです。
辞書は使えば使うほど、味が出てきます。
辞書で引くつもりのなかった言葉を引いてしまいましょう。
あなたの見識が、ぐっと広がることでしょう。