睡眠は、最低でも6時間以上は、しっかり寝ましょう。
短すぎると脳によくありませんが、長すぎるのも脳に悪影響を与えるという報告があります。
理想は、7時間以上・9時間以下です。
十分な睡眠時間は、記憶力に重要な意味を持ちます。
さて、そんな睡眠ですが、なぜ記憶のために有効なのでしょうか。
理由は2つあります。
まず1番目の理由は「(1)脳をしっかり休ませるため」です。
勉強時間が長ければ、それだけたくさんのことを記憶できると思います。
たしかに論理的にはそうですが、現実は違います。
まず長時間の勉強は、疲れます。
時間が長ければ長いほど脳は疲れてしまい、勉強効率が下がります。
当然、疲れた脳では記憶の効率も悪くなってしまうので、脳を休ませてあげなければいけません。
居眠りや仮眠のような中途半端な睡眠では足りず、6時間以上のしっかりした睡眠を取って、脳を休ませてあげる必要があります。
長時間のマラソンでは、肉体が疲れきってしまいますが、脳も同じです。
起きている間、五感を通して絶えず送り続けた刺激を処理するために、脳は休憩が必要です。
しっかりした睡眠を取れば元気が回復し、勉強もはかどります。
2番目の理由は「(2)記憶を定着させるため」です。
記憶が定着するには、時間がかかります。
私たちは起きている間、目を開け続けていますから、次から次へと情報を脳へ送り続けている状態です。
この状態では、脳は入ってきた情報を「整理する時間」がなく、頭に定着させることができません。
情報を整理するために「情報が入ってこない時間」が必要であり、これが「6時間以上の睡眠」です。
睡眠中は、目を閉じて外部からの情報を遮断しているため、後から入ってくる情報がなく、記憶の整理がスムーズに行われます。
睡眠中の情報の整理は、夢を見ているときに行われていると言われます。
夢の内容が支離滅裂なのは、さまざまな記憶を整理している「途中段階」を見ているからです。
整理整頓中の部屋は、ぐちゃぐちゃになるのと同じ話です。
記憶が整理されれば、頭に定着します。
整理整頓された部屋なら、洋服や本を取り出しやすくなり、使いやすくなりますね。
睡眠中に記憶が整理されれば、記憶を取り出しやすく、活用しやすくなります。
記憶を定着させるために、睡眠はしっかりとる必要があるのです。