「エビングハウスの忘却曲線」をご存じでしょうか。
ドイツの心理学者エビングハウス(1850~1909)が発表した、記憶の忘却状態を曲線で表現したグラフです。
そのグラフを見ると、人間は4時間後には、覚えたことの50パーセントを忘れることが見てわかります。
その後、曲線は緩やかになり、約1カ月後には、ほぼゼロになります。
つまり、あなたが英単語を100個覚えたとすれば、4時間後に思い出せるのは、50個前後ということになります。
1カ月後には1つも思い出せなくなるほど忘れます。
たったの4時間で50パーセントも忘れてしまうのは驚異的ですね。
しかし、このエビングハウスの忘却曲線は、常に一定ではありません。
復習をすれば、忘却率が緩やかになり、忘れにくくなります。
復習をするのは、短期記憶から長期記憶するために重要だという話をしましたが、このエビングハウスの忘却曲線と一致します。
エビングハウスの忘却曲線は、海馬で記憶する短期記憶の状態を、まさにグラフ化したものです。
さて、復習が大切なのは言うまでもありませんが、あなたが気になっているのは「復習するタイミング」ではないでしょうか。
その答えこそ、エビングハウスの忘却曲線が物語ります。
つまり、完全に忘れるのは1カ月後ということは「1カ月以内に復習をすること」が重要です。
1カ月を過ぎると、海馬から完全に忘れた後になるので、また1から覚え直すことになり、初めての勉強と変わらなくなります。
1カ月以内なら、1日後でも、1週間後でもかまいません。
早い時期ほど、短期記憶として海馬に記憶が残っています。
再び同じ情報を送ることで、海馬に「また同じ情報が来たぞ。これは重要な情報だな」と判断させ、長期記憶へと移行します。
とにかくどんなに遅くとも「復習タイミングは必ず1カ月以内」と覚えておきましょう。