記憶が苦手な人は、記憶するとき、一つ一つ確実に覚えようとする傾向があります。
もちろんその丁寧な姿勢は「素晴らしい」と思いますが、実際の勉強は制限時間があります。
また効率は考えず、読書をゆっくり楽しみたいときもあるでしょう。
そういう場合は、まだわかります。
しかし、学校での中間テスト、学期末テスト、受験勉強など、試験日までには制限時間があります。
制限時間があるという前提では「のんびり勉強をしよう」とは言っていられません。
制限時間を意識して、効率よく進める必要があります。
制限時間の中で効率を追求するならば「一度で確実」より「あやふやでもいいからスピード」が重要です。
「スピード」があれば、何度も復習することができるからです。
復習の回数が多ければ多いほど、確実に記憶に定着させることができます。
うまいことに「確実さ」は、スピードを持って何度も復習をしているうちに、自然と身についていきます。
たとえば、英単語を100個覚えるとします。
覚えるときには、1つを完璧に覚えてから次の単語に進むのでは、時間がかかりすぎます。
10個目の単語を覚えているときには、1個目の単語を忘れていることでしょう。
20個目の単語を覚えているときには、10個目の単語を忘れていることでしょう。
まず確実でなくてもいいから、スピードを出して、一度全部、目を通してしまいます。
完璧に覚える必要はなく「見たことある」「聞いたことある」という程度の感覚をつかむために、ざっと全体に目を通しましょう。
人間は「見たことある」「聞いたことある」ものに関しては、頭に入りやすくなります。
立ちながら音読をしたり、単語を紙に書いたりして、できるだけたくさんの感覚器官を使って、覚えようとします。
一度で完璧に仕上げるのではなく、二度三度の復習によって、記憶を次第に強化していきます。
口を酸っぱくするようですが「復習こそ、本当の勉強」です。
勉強は、初めから完璧に身につけることはできません。
何度も繰り返し復習を重ねることで、理解を深め、記憶を定着させていくものなのです。