執筆者:水口貴博

ヒューマンエラーを防ぐ30の方法

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ヒューマンエラーは、慣れたときに起こる。

ヒューマンエラーは、慣れたときに起こる。 | ヒューマンエラーを防ぐ30の方法

「ヒューマンエラー」という言葉をご存じでしょうか。

日本語で言えば「人為的間違い」ということです。

人間特有のミス、ということです。

特に人命が関わる仕事では、ヒューマンエラーの防止対策が本格的、かつ徹底的に行われています。

たとえば、飛行機です。

操縦士の1つの間違いが、何百人もの命を奪ってしまうことがあります。

ゆえに、操縦士、確認者である副操縦士がダブルでチェックをします。

離陸や着陸の際も、一度の確認だけでなく、何度もチェックを行います。

天気まで考慮に入れます。

大勢の命を預かる飛行機では、絶対にミスは許されません。

事故が起こってからでは取り返しがつかず「ごめんなさい」では済まされないのです。

ヒューマンエラーは、人命に関わる仕事だけの話ではありません。

私たちの日常生活にも、ヒューマンエラーによって、命の危険がさらされるということがあります。

たとえば、自動車の運転です。

自動車は機械ですが、運転するのは人間です。

いくら性能のいい車でも、運転する人間に不注意があれば、交通事故を起こし、人命に関わる惨事につながることでしょう。

では、ヒューマンエラーは、どのようなときに起こるのでしょうか。

さまざまな要因の1つがありますが、最も代表的なものといえば「慣れ」です。

ヒューマンエラーは、慣れたときこそ、起こります。

あなたが車の運転をし始めたときのことを、思い出しましょう。

免許を取り、初めて単独で公道を走るときには、注意を払うはずです。

まだ車の運転に慣れていないので、交通ルールはしっかり守り、安全意識を持って運転します。

免許を取ったばかりの初心者は、運転に慣れていないのにもかかわらず、交通事故は少ないです。

もちろん初心者マークをつけて公道を走っている理由も関係していることでしょう。

なにより運転者が、自分は未熟者であることを自覚し、安全意識に細心の注意を払っていることが、一番の理由です。

交通事故が怖いのは「慣れたとき」です。

初心者から中級者になり始めたころが、一番危険です。

車の運転や交通ルールに慣れてきたころ、油断します。

「まあ、これくらい大丈夫だろう」

「自分ならできる」

「少しくらいルールを無視しても大丈夫」

しばらく経験を積むと、自分の技術や知識を過信してしまいます。

慣れたことで自信をつけてしまい、逆に安全意識が低下してしまいます。

ある日、1つの間違いが、命に関わる大きな事故につながってしまいます。

まず、ヒューマンエラーを防ぐために、あなたはしっかり次のポイントを押さえましょう。

「慣れたころが一番危ない」という事実です。

人間ですから、慣れによって緊張が解けるのは、仕方ないことなのかもしれません。

しかし「慣れたころが一番危ない」という事実を事前に知っておけば、安全意識の低下を予防できるはずです。

ヒューマンエラーを防ぐ方法(1)
  • 慣れたときが一番危険であることを、前もって考慮に入れておく。
頭で覚えているささいなことほど、チェックシートを使って確かめる。

ヒューマンエラーを防ぐ30の方法

  1. ヒューマンエラーは、慣れたときに起こる。
  2. 頭で覚えているささいなことほど、チェックシートを使って確かめる。
  3. 車の助手席に座る人には、確認者としての仕事がある。
  4. 指さし確認・声だし確認を癖にする。
  5. 改善すべきは、人ではなく、プロセス。
  6. 見間違いやすい数字や記号は「使わない」か「ふりがな」で対処する。
  7. キスをすれば、ヒューマンエラーがなくなる?
  8. 精度を求めた「ゆっくり」には、雑談がない。
  9. 集中しなくても、ミスをしないシステムを作る。
  10. きれい事を言う人が、一番きれいな行動をしなければならない。
  11. デジタルな作業を、わざわざ人間が行う必要はない。
  12. プロスポーツ選手は、ファンという監視の目に助けられている。
  13. ヒューマンエラーは「アナログ」で発生する。
  14. ミスをした人にペナルティーを与えない。
    反則した人にペナルティーを与える。
  15. 手順書・約束事は、ヒューマンエラー防止の第一歩。
  16. 他人のミスや失敗は、絶対、あなたのためになる。
  17. 恥ずかしさを捨てなければ、ヒューマンエラーを撲滅できない。
  18. わからないときには、質問する。
    わかったときには、言い換えた内容で質問をする。
  19. ヒヤリハットを見逃すな。
  20. 商用環境では、速度より精度を重視。
  21. 精度を追求する原則を守った結果、作業が速くなるのは問題ない。
  22. 例外を1つも作らない。
  23. そもそも作業をしなければ、ヒューマンエラーが起こることもない。
  24. 「問題が発生したときの方法」より「問題を発生させない方法」を考える。
  25. ヒューマンエラーは、省略したときに起こる。
  26. 疲れてから休憩ではない。
    疲れる前に休憩をする。
  27. 作業中は、電話を取らない。
  28. デスクの上に、不要な物を置かない。
  29. 短期記憶に頼らない。
  30. 「もし」で考える人ほど、未来が開ける。

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