ヒューマンエラーを防ぐために、ペナルティーを与える方法も有効です。
ペナルティーの種類については、ここでは言及しませんが、やはり人が嫌がるようなことが効果的です。
嫌がるペナルティーほど、ルールを守るために必死になります。
しかし、ペナルティーの与え方にポイントがあります。
ミスをした人に、ペナルティーを与えるのではありません。
反則した人に対して、ペナルティーを与えます。
違反をしてミスをしたなら、もちろんペナルティーを与えるべきです。
しかし、ミスをしたとしても、指示に反則していなければ、責めるべきではありません。
ミスをしなくても、違反をした人にペナルティーを課します。
1人が違反をすれば「少しくらい大丈夫」という意識が助長されます。
1人が違反をすれば、2人が違反し、3人が違反するという拡大につながります。
全体の安全意識が低下して、ヒューマンエラーにつながります。
まず、違反者を1人も許さないように徹底します。
違反者に対してペナルティーを課せば、誰も違反をしなくなり、結果としてヒューマンエラーの防止になります。
もし、ミスをした人にペナルティーを与えてしまうと、どうなるでしょうか。
ヒューマンエラーがあったとしても、隠蔽される可能性が出てきます。
叱られるのは誰もが嫌がりますから、隠そうとする意識が働いてしまいます。
本来、ミスはどんどん公開するほうがいい。
失敗したという情報を全体に公開しないと、原因がわからず、当然ながら改善にもなりません。
そのためにも、ミスをした人にペナルティーではなく、違反をした人にペナルティーを与えるほうがいいのです。